| アナログレコード再生でタイムスリップ |
ネットオークションで1万円弱で購入したデノンの中級機ダイレクトドライブプレイヤー(DP-1600)です。
35年前のものなのでそれなりの擦れや傷がありますがターンテーブルの回転数は安定しています。
マウスを画像に重ねると 画像が拡大
されます。(以下同様)
アームとカートリッジです。アームはスタティックバランス式で針圧調整範囲は0〜3グラムでオーバー
ハングは14mmです。
オーディオテクニカのMMカートリッジ(AT-10G)が付属しています。
プレイヤーの大まかな仕様は以下の通りです。
駆動方式:ACサーボモーターによるダイレクトドライブ
回転数:33 1/3rpm, 45rpm
スピード調整範囲:±3%以上
ワウフラッター:0.018% wrms以下
S/N:75 dB以上(DIN B)
起動特性:1.5秒以内で定速回転
中級機とは言っても普段見ることの少ない内部は貧弱です。無塗装のベニア板が剥き出しです。
アンプへのシールドケーブルは5ピンのDINジャック経由でアーム下部で接続されています。
裏蓋は右側モーター部のみに設置され、アーム下部は開放状態となっている。
購入したプレイヤーにはMMカートリッジが装備されていましたが、どうせやるなら有名なデノンのMC
カートリッジDL-103を使って見たいものです。学生時代の憧れのカートリッジでMC昇圧トランスまたは
ヘッドアンプを必要とするため、学生の小遣いでは買えなかった物です。写真はネットオークションで
1万円弱で買ったものですが、点眼鏡で見ても針先は綺麗でまだしばらく使えそうです。
以下はDL-103のスペックです。
出力電圧:0.3mV
左右感度差:1dB以内
左右分離度:25dB以上
インピーダンス:40オーム
針先半径:16.5ミクロン
針圧:2〜2.5グラム
MC/MMイコライザアンプの回路図です。アンプ基板はリサイクルショップで買った某社半導体プリメインアンプ
から取り外したもので、回路図は基板から読み取ったため間違いがあるかも知れません。オペアンプは三菱のM5220
でしたが低雑音化を狙ってTEXASのOPA2604APに取り替えました。±15Vの電源部は廃品を利用して作りました。
小生の場合ゲイン2.7倍のFET差動プリアンプを使うため、そのままではMCイコライザアンプの
ゲインが高すぎるのでNFB回路の抵抗値を変更してゲインを若干下げました。
裸ゲインは2SK369とOPA2604APによる2段増幅のため相当高いので、1kHz近辺の概略ゲインはMMの場合で
3.9kオーム÷88オーム=44倍、MCの場合で3.9kオーム÷10オーム=390倍と計算されます。
アンプ音量を上げた状態でプレイヤーの電源をオン・オフすると「ボコッ」というポップ音が出たので
イコライザアンプの出力部に遅延リレー回路を取り付けました。しかし、そのままでは電源オフ時の
ポップ音が取り切れなかったため、3kΩのボリュームによりリレー動作時の電圧が8Vになるように調整
したらリレーの復旧時間が短くなり電源オフ時のポップ音問題は解消しました。イコライザアンプの電源ON時
にはリレーが起動してないので、3kΩボリュームの電圧降下を無視して2SC1815のベース電圧が1.4Vになる時間を
計算すると5.7秒になりました。実際のリレー起動時間は6±1秒にばらついており計算値と良く合っています。
プレイヤー内部に組み込んだMC/MMイコライザアンプと電源部です。シールドタイプの電源トランスは
モーター部の近くに、整流・平滑・電圧安定化回路、イコライザアンプ、遅延回路はアーム下部に収納しました。
イコライザアンプの拡大写真です。左下方にアンプへのシールドケーブル用RCAジャックとアース線用端子を
設けました。アンプ基板上の白いスイッチはMC/MM用切替スイッチですが、普段はMCカートリッジを使うため
必要時プレイヤー裏に手を入れてMM側に切替えます(押すとMC、引くとMM)。
改造後のプレイヤー正面です。暗い部屋でのプレイヤー操作性と雰囲気アップのため高輝度LEDランプを設置
しました。長さ20cmの円筒形木材をホームセンターで買って5cmに切断した後、バイク用ニュートラルランプ
を内部に埋め込みL金具で固定しただけです。
トーンアームの軸受部です。オイルダンプリフターとアンチスケーティング機構が付いていますが
アームの型番はなく安価な普及版だと思います。
水平回転のボールベアリングはガタもなくスムーズに回転しますが、垂直軸受部
についてはアームパイプを左右にひねると「コクンコクン」とほんの僅かですがガタがあります。
このガタが直ちにトレース不良を起こすとは思いませんが気分的に良くないので修理(増締め)
することにしました。
垂直部の軸受は両側から各々2本のネジで締め付けられています。これを緩めるにはU字型のジャック
ドライバーが必要です。ネットで調べるとエンジニア社のDJ-03というジャックドライバーが入手
出来ることが判明しました。U字部分は内寸4mm、外寸7.5mm、刃厚0.7mmというものです。
内寸3mmのものがあればベストですが4mmでも何とか締め付けネジを回すことが出来ました。
値段も送料込みで500円くらいで安かったです。
ジャックドライバーと精密ドライバーを使って取り外したネジです。シンナーで洗浄した後軽くオイル
を塗りました。
ネジを外して見た垂直回転部のボールベアリングです。幸いにもボールベアリングを固定するゴムに劣化
は無く清掃してベアリングに注油するだけで済みました。ガタが生じた原因はゴムが経年で固く凝縮した
ためネジ先端とベアリング間に僅かな隙間が出来たためだと推測します。両側から適度な強さでネジを
締め直した結果、アームのガタは全く無くなり気分爽快です。気のせいか再生音も良くなりプチプチ音も
小さくなったように感じます(プラシーボ効果に決まってますが・・・)。ついでにアームの感度試験を
行いました。ゼロバランスを取ってアームを水平にしたあと針圧を0.2グラム増減するとアームが明確に
上下します。0.1グラムだとアームは不安定となり反応が鈍いです。これらの結果から1.0グラムの針圧で
も十分使用可能と思われます。
自作したカートリッジキーパーです。穴を3個開けてニスで塗装した木板を100円ショップで買った
プラスチック陳列ケースの底に埋め込みました。直径8mmの穴をドリルで開けたあと糸鋸でカートリッジを固定
するため幅2mmのスリットを作りました。板が厚すぎてカートリッジが天井に当たったのでケースの底に四角い
穴を開けて埋め込みました。カートリッジは左から型式不明のパイオニア製MMカートリッジ、DENONのMC
カートリッジDL-103、オーディオテクニカ製MMカートリッジAT-10Gです。なお、AT-10Gは針が古くなっていた
ので赤色の交換針を約3,000円で購入して付替えました。
近所の市営リサイクルセンターで1枚100円で買った愛聴盤LPレコードの一例です。ジャケットは古いものもあり
ますが盤自体はそれほど傷んでなく雑音はほとんどありません。まだ全部で30枚位しかないので時々リサイクル
センターに行って掘り出し物を探すことにします。
35年振りにアナログレコードの音を聞いての感想:
1.古いレコードや手入れの悪いレコードではプチプチ音が出るが良質なレコードではほとんど聞こえない。
2.CDに比べると音が柔らかく余韻がある。特にシンバルやトライアングルの音は浮き上がって聞こえる。
3.クラシックなど静かな曲ではCDに軍配が上がるがジャズやポップスなど賑やかな曲ではCDに負けない音がする。
4.プレイヤー、カートリッジ、イコライザアンプに何十万もかければもっと良い音が出るだろうが2〜
3万円の投資でそれなりの音を楽しめる。
5.1枚100円で買った安いレコードでも結構使えるものがある。レコード店で千円、2千円で売られている
レコードでもゴミ焼却場近くの市営リサイクルセンターで50円〜100円で買える。つまり、捨てる人にとっては
ゴミでも必要な人には宝物ということ。何市かって?・・・秘密!
6.イコライザアンプの電源オン・オフ時にポップ音が発生しても簡単な遅延回路により解決できる。
7.オートアームリフターが欲しいです。心地よい音楽を聴いているうちに居眠りすることがあり、
気が付いたらレコード終点で回りっぱなしになっている時があります。後付けのオートリフターがありますが
ネットオークションで1万円近くするので何とか自作できないか思案中です。
その後の改造:オートストップ機能の
追加
DP-1600はマニュアル機のためトーンアームの手動リフトアップ&ダウン機能は備えていますが、レコード
演奏が終わった時にはターンテーブルが回り続けます。心地よい音楽を聞いているうちに眠り込んでしまった
場合には針の寿命を縮めるので何とかしたいと考えました。レコード終点でアームが自動的にリフトアップし
モーターの電源が切れればベストですがリフトアップ機能の追加は結構大変そうです。後付けでアームを機械的
にリフトアップする製品(オーディオテクニカのAT6006a)もありますがネットオークションで1万円以上する
のでXです。
そこで、フォトセンサーを使ってモーターを自動的にストップする装置を試作しました。針がレコード盤に
降りたまま静止するため何日も放って置く場合は問題ありですが、少なくとも針が摩耗する心配は無くなる
ので良しとします。これで、レコード演奏が終わったら慌ててプレーヤーの元に走って行く必要も無くなり
リラックスして音楽を聴くことが出来ます。何よりも新らしく購入したパーツ代が1,000円ちょっとと言うのが
売りです。
ネットオークションで送料込み1,100円で購入したフォトセンサーです。オムロン製のEE-SX914-Rという
透過型センサーで、U字型の溝を塞いだ時にトランジスタがオンまたはオフになる出力端子があり、そこに
リレーを接続すればモーターを自動的に停止出来ます。出力端子の最大制御電流は50mAでU字溝の幅は
5mm、深さは6.5mmです。センサーには長さ1mのコードが付いておりオレンジ色に光る入光表示灯があります。
この他に反射型センサーも考えられますがアームのバランスウェイトの後方にセンサーを設置する十分な
場所が無いため透過型センサーを使う事に決定しました。
オートストップ装置の回路図です。小生のプレーヤーはイコライザアンプを内蔵させたので+15Vはアンプ
電源部から取り出します。フォトセンサーには2種類の出力端子があり、黒端子はセンサーが入光した時に、
白端子はセンサー光が塞がれた時にONになります。白端子に12Vリレーを接続しセンサー光が塞がれた
時にモーターの電源を切る方法にしました。トーンアームを元の位置に戻すとリレーが復旧しモーターが
回転し始めます。100Ωの抵抗はリレーに掛かる電圧とセンサーの最大制御電流が定格を超えないように
するために挿入しました。なお、リレー接点でプレーヤーの主電源を切ると+15Vも切断することになり
リレーが復旧してモーターが再び回転するため、主電源スイッチ2次側からモーターへの配線のみをリレー
でオン・オフするようにしました。
トーンアームに貼りつけた銅箔テープがレコード終点でフォトセンサーの溝を塞ぐことによってセンサーを
動作させます。アームの支点より後方に付けられないか検討しましたがセンサーを設置する場所がないため
止む無く前方に付けました。銅箔テープは非常に軽いのでアームに機械的なストレスを与えません。
フォトセンサーの溝幅と深さが狭いので塞ぐ銅箔テープの寸法が限定され、レコード終点で正確に
オートストップさせるためにフォトセンサーの固定(高さと水平位置)にかなり神経を使いました。
最終的に高さ30mmのZ型ステンレスアングルを使ってネジで固定しました。見た目は余り良くありませんが
簡易な方法で制作したので何時でも元に戻せるのが利点です。
ネットオークションで売却後の現況
デノンのレコードプレーヤーDP-1600は大型で重く我が家のオーディオラックの最上部に置くには
少し問題があるためネットオークションで売却しました。そのため、LPレコードだけが残っており
いつかネットオークションに出そうと考えていました。ところが、ある日ハードオフを覗いていたら
完全自動演奏出来るレコードプレーヤーを発見しました。MM型のイコライザーアンプが内蔵されて
おり、且つ小型軽量です。値段も安く3ヶ月の保証期間があったので早速買いました。LPレコード
を残した甲斐があったと言うものです。
デノンのDP-29Fという機種で20年くらい前に発売された様です。小型軽量でフルオートマチックですが
カートリッジがアームに固定されているため交換出来ないのが欠点です。ただし、針部の交換だけは
出来る様です。早速300Bシングル真空管アンプでLPレコードを聴きましたが結構良い音で鳴りました。
フルオートマチック演奏なので居眠りしながらのんびり聴いておれます。