| 40KG6A全段差動プッシュプルアンプ |
アンプ正面です。これで出力6W x 2しか出ないのは正に外道アンプのレベルです。シャーシに穴を開ける
のが面倒なので電解コンデンサ用の穴を使いました。4個の大型電解コンデンサ(71V 18000μ)を取り外した
穴に出力トランスと400V 820μを、400V 820μを取り外した跡に6DJ8のソケットを取り付けました。
出力管が前列に、電圧増幅管が後列に配置されるのも異例です。出力管の大きさに比べて出力トランスの
小ささが目立ちます。
マウスを画像に重ねると
画像が拡大
されます。(以下同様)
アンプの内部です。OTLアンプ時に比べると大変スッキリしています。OTLアンプではスピーカー保護回路と
B電源投入のタイマー回路が必要でしたが今回は不要です。出力管のヒーターにシリーズに
接続する抵抗をシャーシ内部に収納しました。後述するように絶縁トランスの使い方を工夫する事で抵抗
の消費電力を25%に減少させた結果です。
全段差動プッシュプルアンプに改造するために電源トランスを新規に買う事は出来ません。そこで絶縁
トランスをそのまま使う方法を検討しました。1次と2次を反転させて使い、40KG6Aのヒーター電圧AC80Vと
B電源に必要なAC110V程度を発生する回路を模索しました。元々1次コイルは2巻線を並列接続して
使いますが、今回は軽い負荷で使うため1次コイルと2次コイルを逆にしても問題はないと判断しました。
こうする事で40KG6Aのヒーターに掛かる電圧をぴったり80Vにしたかったのですが、結果的に5V分
を抵抗で消費させる事になりました。OTLアンプ時は20Vだったので1/4に低減出来ました。
2次側のもう一方のコイルに発生したAC105Vを倍電圧整流して約260VのB電圧を得ました。
アンプの回路図です。40KG6Aプッシュプルの最適負荷インピーダンスを知らないので出力トランス
は5kΩ p-pとしました。
6DJ8の定電流は選別した2SK170BLで7mAを得ましたが40KG6Aの定電流回路は注意が必要です。
と言うのは、40KG6AのEp-Ip特性を全く確認しないで2本で125mAとしたところ、
LM317の最大印加電圧40Vを超える電圧がかかって2個のLM317が壊れてしまいました。
40KG6Aは200V/60mAではバイアス電圧が60V近くになります。そこで、360Ω 20Wの抵抗を
シリーズに接続する事でLM317に掛かる負担を減らしました。
1kHzでのアンプの入出力特性です。出力6Wくらいまでリニアですが歪を容認すれば10W程度まで出せます。
アンプゲインは約10倍、残留雑音は0.6mVです。ON-OFF法で測定した1KHzのダンピングファクターは0.8
しかありませんがNFB量は余り増やしたくないので良しとします。なお、NFB量は約2.5dBです。
40KG6A全段差動プッシュプルアンプの2Vp-p時の方形波応答波形です。上から100Hz、1kHz、10kHz
です。100Hzで僅かなサグと10kHzで僅かなオーバーシュートが見られる以外は問題ない応答波形です。
リンギングも現れてないので周波数特性にも問題はなさそうです。音は正に「全段差動プッシュプルの切れ
のある音」でOTLアンプに負けません。改造して正解でした。安心して聞けるだけでなく発熱もOTLアンプ
に比べて半減しました。