300B シングルトランス結合アンプ


過去に6BM8を使った300Bトランス結合アンプを作った経験がありますが、6CS7という複合型双3極管 を入手したので5極管の3結より良い音を出すのではないかと期待してCR結合アンプを再改造しました。 トランス結合アンプの音はHi-Fiではありませんが、中域にエネルギーが集中するためか聴力が 衰えた高齢者には豪快な音に感じるのではないでしょうか。

真空管 RCA製5Z3と東芝製6CS7と中国ナショナル製300Bです。6CS7はタイプの異なった2つの3極管が入って おり、規格表によればμ=17の電圧増幅とμ=15.5の電圧(又は電力)増幅が可能です。プレート抵抗 も各々7.7kΩ、3.45kΩと小さく直線性も良さそうです。許容プレート損失は各々1.25W、6.5Wで ドライバー管として使い易いです。

マウスを画像に重ねると 画像が拡大 されます。(以下同様)

アンプ正面 300Bシングルトランス結合アンプの正面です。電流計があった場所にドライバートランスを取り付け ました。スペース的に真空管はこれ以上増やせないので複合管しか使えません。

ハラワタ 改造に次ぐ改造で空中配線も多く余り綺麗ではありません。定電流ICのLM317は念のために放熱板を 取り付けました。

回路図 300Bシングルトランス結合アンプの回路図です。6CS7の内部抵抗が5kΩに近いためNC-14のコイルを 1次、2次とも直列接続にしました。トランス結合アンプではドライバートランスの特性が決め手に なるのでドライバー管とのインピーダンス整合が重要です。カソード抵抗をカットアンドトライで 試したところ1.15kΩ(1.5kと5.1kを並列接続)で最適な整合が取れました。 300Bのプレート電流は約60mAに定電流化しています。当然ですがオール3極管アンプなので負帰還は 掛けていません。

入出力特性 300Bシングルトランス結合アンプの1kHzの入出力特性です。アンプゲインは約30倍です。仮想計算すると、 6CS7 x 300B x 出力トランス = 160 x 4 x 1/21 = 30 となります。出力が8Wくらいまで直線性が保たれており、多少の歪 を無視すれば15Wくらいまで取り出せます。さすがにトランス結合は300Bのグリッドがプラス領域になるまで ドライブ出来るようです。1kHzにおけるダンピングファクターはオン-オフ法による測定で3.6です。残留 ノイズは1mVで少し大き目ですがスピーカーに耳を近付けないと聞こえません。

100Hz方形波応答 300Bトランス結合アンプの2Vp-p時の方形波応答波形です。上から100Hz、1kHz、10kHzですが、 f特の高域に僅かなピークがあるためか1kHzと10kHzの波形にリンギングが見られます。 ドライバー管とドライバートランスのインピーダンス整合を最良にしたので10kHzの応答が 最も綺麗になったと思います。カマボコ型のナローな特性ですが中域にエネルギーを集めた豪快な 音は小生のお気に入りです。

1kHz方形波応答

10kHz方形波応答



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