FT77SにAM機能の追加


以前ネットオークションでジャンクの八重洲のFT77Sを購入しましたが、この機械にはFMユニットが オプションで付いておりAM機能がありません。28MHz帯でのFM運用はしないので FMユニット基板を改造してAM運用が出来るようにしました。もちろん低電力変調(いわゆる、なんちゃって 変調)なので深い変調は掛かりませんが、この改造により7.195MHzは勿論のこと3.757MHz、28MHz帯でのAM 運用が可能になりました。

FT77S FT77Sの正面です。例によってダイアルつまみのゴムが劣化していたのでFTDX400用外付け VFO(FV400S)のつまみを借用しました。 周波数表示を見るとデジタル機のようですが、VFOにはバリコンが 使われており正真正銘のアナログ機です。小生はデジタル機のダイアルを回した時のクリック感は 好きではありません。そういう訳でこの無線機はAM運用に向いています。送信出力は12WですがALC機能を 改造すればもっとパワーは出そうです。モービル運用で3〜5Wのキャリア出力でAMを楽しもうと思います。

改造済みAM基板 インターネットで検索したところ、海外ではオプションのAMユニットが販売されて いることが判明しました。勿論現在では入手不可能ですが回路図がありました。それによるとAM変調 にはTA7310P、マイクアンプにはμPC577HというICが使われています。AM検波には8.9MHzのバッファ アンプ、ダイオード検波器、トランジスタによるLPFが使われており、SSB/CWとAMのモード切替えには ダイオードスイッチが採用されています。オリジナル回路は複雑過ぎるので思い切って簡単な 回路に変更しました。FM基板から不要なパーツを取り除きAM変調/検波に必要なパーツを取り付けることに よりFM基板を再利用することに成功しました。(MC3357Pと455kHzセラミックフィルタは簡単に取り外せ なかったので残置)

AMユニット回路図 以前3SK22というFETで良好な低電力変調が掛かったことを思い出し、AM変調はFETの ゲート変調に決定しました。AM変調器のタンク回路とAMドライブ回路はFMユニットの物を流用しました。 マイクアンプもCRパーツを多少変更しましたがFMユニットの回路(2SC732+μPC577H)を流用しました。 μPC577HはFM変調の最大周波数偏移を抑えるためのIDC回路なので、AM変調ではマイクコンプレッサ のような働きをすると思われます。QRPなので少しでも了解度を上げたいです。 AM検波はIF基板のAGC検波用ダイオード入力端子から100pFで分岐した後1N60で倍電圧検波しCRによる 簡単なLPFを付けました。 最も苦労したのはAMキャリアの発生でした。8.9882MHzと表示された水晶をそのまま発振させた ところ5kHzほど高い周波数になりました。回路図を良く見るとFM変調を掛けるために可変容量ダイオード とコイルがあり、このコイルのインダクタンスを調整して8.9882MHzを得るようになっています。 実は不要なパーツを取り外す時に誤ってコイルの足が取れて壊れてしまったのです。コイルは 完全に破壊されているためインダクタンスの測定も出来ません。さあ、困った。 以前7.2MHzの水晶を使って7.17〜7.2MHzのVXOを制作した経験から、手持ちの6.3μH(自作Lメータでの測定値) フェライトコイル2個を挿入することで5kHzほど下げることに成功しました。正確なキャリア発振周波数は 50pFのトリマで調整しました。

変調波形 キャリア出力4W時のFT77Sの変調波形です。波形の上下が若干つぶれていますがややプラス 変調です。「なんちゃってAM変調」なのでこんな物でしょう。変調度を計算すると約85%です。 これ以上変調度を上げると波形は大きく歪みます。 正弦波で綺麗な変調を如何に掛けるかは今後の検討課題ですが、音声では変調波形が少々歪んでいても余り気に なりません。 AM変調ではALC回路は無くても良いのでALC機能を無効にしたところピーク電力は20W程度に上昇しました。 ただし、過変調には十分注意する必要があります。