40年前に新品で購入した八重洲無線のHFトランシーバFT-101ESをオーバーホールしました。
お陰で今でも何とか使えています。購入時の出力は10Wでしたがその後50Wに改造し、ついでにCWフィルタも
装備しました。
RFプロセッサは未装備ですが、最近ではハイファイSSBと言われる高音質通信が流行っており、もう必要ない
と思います(実は、最終的に増設しました^^;)。近年、7195kHzでAMを運用する同年輩と思われる方々
と懐かしい昔話をするためにAMにも出ています。
購入時はパネル前面がビニールシートで覆われていましたが汚れが目立ち始めたため10年程度
経過時に撤去しました。パネル面に若干の汚れはありますが大きな傷等もなく外観はそれなりです。
背面は大きな傷も錆びもなく外観はそれなりです。冷却ファンは純正ではなく秋葉原で安く
買ったものですが多分パソコン用だと思います。当世真空管トランシーバの移動運用なんて考えられない
のでDC-DCコンバータも付いていません。
上面の蓋を開けたところです。見たところはまあまあキレイです。RFプロセッサは未導入です
(最終的には実装しました)。
下面の蓋を開けたところです。イヤホン使用時にハム音が気になるため、
DC13.5V回路の20mHチョークコイルの前後に4,700μFの電解コンデンサを1個ずつ追加しました。
これでイヤホン使用時のハム音は解消されました。
古くなったコンデンサの一例です。多くのフィルムコンデンサが同様の状態か表面にひび割れ
が認められたため新品に交換しました。念のため容量を測定しましたが電気的性能には問題ないようでした。電解
コンデンサの一部も交換しました。重さが軽くなって如何にも容量抜けしているような怪しいものだけ交換
しました。
古くなったフィルムコンデンサを交換したRF増幅基盤です。ほとんどの基盤がこのように
手を加えられているため小生のFT-101ESはもはやオークション等で他人に売ることは不可能です。死ぬまで
お付き合い願うことになりそうです。
オリジナルの回路では電源ONと同時に冷却ファンが動作するため、ドライバーとファイナル
真空管のヒーターONで動作するよう改造しました。つまりヒーター電圧を整流してDC12Vのリレーでファンを
ON/OFFしています。また、そのままではファンの騒音が大きいため1.5kΩの抵抗を挿入して駆動電圧を
下げています。冷却効果は落ちますが静かになりました。
当然ですがFT-101ESはWARCバンドに対応していません。回路図を見ると10.0〜10.5MHzの受信が
出来るようになっているのでせめて10MHzの送信が出来るように改造しました。純正の局発用水晶発振子は16.02MHz
ですが16.0MHzの水晶を250円で買いました。従って、VFOダイアル上では20kHzほど周波数が上にずれるので
ダイヤル目盛の10.02MHzが10.00MHzになります。
改造で最も大変だったのはバンド切替スイッチの配線でした。スイッチの接点が奥深い場所にあったり、スイッチ
接点が1つだけ不足するため空き接点を利用して配線する必要がありました。写真の青い電線が新しい配線です。
また、プリセレクタの同調回路が14MHzバンドと共用のため、14MHzでトラッキング最良調整していると10MHzバンド
では送信と受信で若干同調にズレが生じます。3組の10MHz専用の同調用コンデンサ(100pFコンデンサと50pFトリマー
の並列)を増設すればこの問題は解消するのですが本対策はとても大変な作業を伴うので止めました。因みに10.1MHz
ではプリセレクタ目盛は3.5あたり、プレートバリコン目盛は11m辺り、ロードバリコン目盛は2辺りで50Wの
出力が出ます。
FT-101ESはマイクがオプションであったためICOMのトランシーバのマイクを転用しましたが
インピーダンスが600Ωで感度が低く、山水のトランジスタ用入力トランスST-10(1k:30kΩ)により
高インピーダンスに改造しています。FT-101ESのマニュアルでは50kΩになっていますが一応変調
はまともに掛かっているようです。
主な調整項目:
1.同調回路のトラッキング調整
2.終段の中和用トリマーの調整
3.USB及びLSBのキャリアポイントの調整
4.100kHzマーカー発振器の周波数校正
5.各種トラップ回路の調整
主な改造項目:
1.DC13.5Vのリップル(ハム雑音)低減
2.10MHzバンドの送信機能追加
3.マイク入力回路に昇圧トランス挿入
その後の改造1
その後、FT-101ESにRFスピーチプロセッサを増設しました。棺桶に片足を突っ込んでいる機器に
今更と言う感じですが、ネットオークションで送料込み3,000円という出品を発見しついポチって
しまいました。Hi-Fi SSBには反する行為ですが一度ガツンと力強い電波を出して見たかったから
です。FT-101ESに添付の回路図がRFスピーチプロセッサ装備済みのため少し苦労しましたが何とか
改造に成功しました。なお、オークションでゲットした基板のカット済の配線が残置されていた
ので大助かでした。同じ色のケーブルを半田付けするだけで改造は終わりました。
マニュアルに記載されているRFスピーチプロセッサの回路図です。
RFスピーチプロセッサのOn/Offに拘わらずSSB送信時には2個のSSBフィルタを通る事に
なります(この件に関しては後述)。当然ですがCWやAM送信時にはRFスピーチプロセッサは
通りません。
VFOの上部に束ねられていたシールド配線の赤色(RFプロセッサ入力)と黄色
(RFプロセッサ出力)をテスターで測定するとショート状態でした。という事は、FT-101ESは
トランシーバ内部で直結配線されています。写真はこの状態を示しており、赤色と黄色の
シールド配線は空端子に半田付けされており、送信時のSSB信号はIF基板の10番端子から2個の
5.6kΩと1S1555ダイオードが繋がっている端子に直結されていました。そこで、改造としては
この直結配線を撤去し、赤色のシールド配線をIF基板の10番端子に、黄色のシールド配線を
2個の5.6kΩと1S1555ダイオードが繋がっている端子に半田付けしました。FT-101ESの
ユーザーとしてはRFスピーチプロセッサ増設方法についてマニュアルに記載して欲しかった
ですね。
RFスピーチプロセッサ増設後の写真です。これでFT-101Eに早変わりです。
2つのボリュームでRFスピーチプロセッサOff状態のSSB送信信号レベル、On時のプロッセッサの
出力レベルを調整しました。満足な測定器がないため適当に調整しましたが、RFスピーチプロ
セッサをOnにすると小さい声でも十分な変調が掛かります。音質の面でどうなのか心配ですが
実戦で使う事は余り無いと思われます。
その後の改造2
オプションのRFスピーチプロセッサの回路図から、プロセッサOff時でもIF信号が
水晶フィルターを通っており、何故2度も水晶フィルターを通過させるのか気になっていました。
そこで、FT-101Eの回路図を調べた結果、RFスピーチプロセッサ回路が大きく異なっている事が判明
しました。新型のプロセッサではプロセッサOff時は水晶フィルターを通っておらず思わず納得
しました。このため、プロセッサOff時にIF信号をスルーさせる様に改造しました。これでプロ
セッサスルー時はマイクゲインボリュームを回すだけで出力を調整出来き便利になり、RFスピーチ
プロセッサもプロセッサOn時の調整だけになり簡単になりました。改造はRFスピーチプロセッサ
内部に手を入れる事なく外部の配線のみ追加・変更したので将来ヤフオクに出品も可能です。