AMループアンテナの製作


歳を取るにつれテレビを見続けると眼が疲れる 様になり最近はラジオを聴く事が多く なりました。我が家は木造2階建てですがAM受信は電波が弱くNHK第1と第2以外 は雑音が多いです。 特に小生が好きなラジオ日本は1422kHzと周波数が高く電波が弱いので歌謡曲や演歌が満足に楽しめ ません。そこでAMループアンテナを製作して受信感度アップ作戦に挑戦しました。キットを含む4台 のループアンテナを製作した結果、どのアンテナも受信状態に大きな改善が見られました。また、 ループコイルのインダクタンスは213μH〜276μH、浮遊容量は15pF〜26pFである事が判明しました。 ラジオへの接続方法については、ピックアップコイルをアンテナ端子に直接接続する方法とラジオに 付属するループアンテナをAMループアンテナの中央付近に固定する方法を試しました。その結果、 小生は前者の方が優れているように感じました。ピックアップコイルが1次コイルから離れるほど、 巻数が少ないほど同調点が明確に判りますが感度との兼ね合いを考えて決定しました。

L-001 「AMループアンテナ」をネットで検索すると多くの製作例が見つかりました。材料を買ってくれば すぐにでも作れそうですが、我が家の受信機数は4台ですが手持ちのAM用バリコンが3個しかありません。 そこで、研究用にシャンテック電子のキット(L-001)を1台購入する事にしました。送料込みで 4000円近く掛かりましたが後で3台自作するので安い授業料です。組み立ては説明書に従ってやれば 誰でも出来ます。早速SONYのステレオコンポ(DHC-MD333)で使いましたが受信状態が大きく改善 されました。このコンポは中古で買ったため付属のアンテナがないのでピック アップコイルを直接アンテナ端子に接続しました。
さて、次はループアンテナの解析(インダクタンス、浮遊容量、同調周波数範囲)です。ループ アンテナの出来上がりデータは、断面積:40cmx40cm、コイル長:1.8cm、巻数:密着巻 14.75回、コイルピッチ:1.2mm、コイル銅線直径:0.3mm、バリコン容量:20〜300pF、 ピックアップコイル:ループコイルの内側に直径0.3mmのビニールケーブルの密着巻2.75回 です。LCRメータで測定した1次コイルのインダクタンスは213μHでした。次は浮遊容量の推定です。 自作した Lメータに本ループアンテナを接続して発振周波数を測定すると、計算値は3.367MHzですが実際は 1.809MHzに下がりました。発振器のコンデンサ値をLCRメータで測定したら10.5pFだったので、 発振周波数の差から浮遊容量は26pFと計算されました。その結果、同調周波数範囲は604〜1609kHz になり、実際に使った感じに近い事が判りました。同調範囲から僅かに外れた594kHzのNHK第1は 元々非常に強く入感するので問題ありません。

マウスを画像に重ねると 画像が拡大 されます。(以下同様)

自作機1号 自作機1号は大昔に作ったスパイダーコイル式ループアンテナを同調式に改造しました。 コイルはインターフォン用単芯ケーブル、バリコンはTS520用の25〜220pFエアバリコンです。 完成後にDENONのチューナー(TU-1500)で使ったところ受信状態が大きく改善されました。 このチューナーは付属のアンテナがあったのですが使わずにピックアップコイルを直接アンテナ 端子に接続しました。 ループアンテナの出来上がりデータは、断面積:40cmx40cm、コイル長:2.8cm、巻数: 密着巻15回、コイルピッチ:2mm、コイル銅線直径:0.5mm、バリコン容量:25〜220pF、 ピックアップコイル:ループコイルの内側に直径0.45mmの26番銅線のスペース巻3回です。 LCRメータで測定した1次コイルのインダクタンスは238μHでした。自作したLメータに 本ループアンテナを接続して発振周波数を測定すると、計算値は3.185MHzですが実際は1.900MHzに 下がりました。発振周波数の差から浮遊容量は19pFと計算されました。その結果、同調周波数範囲 は668〜1556kHzになり、実際に使った感じに近い事が判りました。同調範囲から外れた594kHzの NHK第1は元々非常に強く入感するので問題ありません。

自作機2号 自作機2号は100円ショップで買った安い木材を使って製作しました。コイルはインターフォン 用単芯ケーブル、バリコンは壊れたトランジスタラジオの15〜150pFポリバリコンです。 完成後にONKYOのステレオコンポ(R-811M)で使ったところ受信状態が大きく改善されました。 このコンポは付属のアンテナがあったのですが使わずにピックアップコイルを直接アンテナ 端子に接続しました。コイルの色違いは手持ちケーブルの関係で全く意味はありません。 ループアンテナの出来上がりデータは、断面積:20cmx22cm、コイル長:5.5cm、巻数:密着巻 28回、コイルピッチ:2mm、コイル銅線直径:0.5mm、バリコン容量:15〜150pF、です。 ピックアップコイル:ループコイルの両側に直径0.45mmの26番エナメル線のスペース巻5(=2+3) 回です。LCRメータで測定した1次コイルのインダクタンスは276μHでした。自作したLメータに 本ループアンテナを接続して発振周波数を測定すると、計算値は2.958MHzですが実際は1.898MHz に下がりました。発振周波数の差から浮遊容量は15pFと計算されました。その結果、同調周波数 範囲は746〜1750kHzになり、実際に使った感じに近い事が判りました。同調周波数が少し高い方 にずれましたがNHK第1と第2は元々非常に強く入感するので問題ありません。

自作機3号 自作機3号も100円ショップで買った安い木材を使って製作しました。コイルは26番銅線、バリ コンはTS520用の25〜220pFエアバリコンです。 完成後にSONYのチューナー(ST-S333ESG)で使ったところ受信状態が大きく改善されました。 このチューナーは付属のアンテナがあったのですが使わずにピックアップコイルを直接アンテナ 端子に接続しました。ループアンテナの出来上がりデータは、断面積:33cmx33cm、コイル長:4cm、 巻数:スペース巻18回、コイルピッチ:2.4mm、コイル銅線直径:0.45mm、バリコン容量: 25〜220pF、ピックアップコイル:ループコイルの内側に直径0.45mmの26番銅線のスペース巻3回 です。LCRメータで測定した1次コイルのインダクタンスは216μHでした。自作したLメータに 本ループアンテナを接続して発振周波数を測定すると、計算値は3.344MHzですが実際は2.136 MHzに下がりました。発振周波数の差から浮遊容量は15pFと計算されました。その結果、同調 周波数範囲は707〜1713kHzになり、実際に使った感じに近い事が判りました。同調範囲から 外れたNHK第1と第2は元々非常に強く入感するので問題ありません。



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