アンテナシステム


昔風のアマチュア無線家として送受信機の自作や整備と共にアンテナの自作や調整作業 も無線屋としての醍醐味であり大好きです。以下にこれまで小生が携わった各種アンテナについて 紹介します。

1.固定局用アンテナ

(1) 1.9MHz

160mアンテナ 小生の1.9MHzの免許はCWのみですが最近になってバンド幅が拡大されSSBやAMでも運用出来る ようになりました。有難いことに免許状にA1A(CW)の記載があり認められたトランシーバー を使えばSSBやAMの運用が出来るそうです。 そこで、3.5MHzのアンテナで受信すると弱いながらSSB信号が聞こえました。夕方から夜間に かけて数局の国内局が交信していました。面白そうなので小生も1.9MHz用のアンテナを自作 する事にしました。海外DXに興味はなく今から新しいアンテナを張る場所もないので現在 使用中の3.5MHzマイクロバートアンテナを使って何とか1.9MHzにオンエアー出来ないか実験 を重ねました。このアンテナの長さが給電線まで含めると36mなので不足分を延長コイルで 補えばロングワイヤアンテナとして使えるのではと考えたからです。 結論から言うと、同軸給電線の芯線と外皮をショートしアース棒3本と39mのカウンター ポイズを接続したらSWRがバッチリ1.0に落ちました。ただし、アンテナの長さが若干不足したので 延長コイルを追加しました。3本のアース棒でSWRは十分落ちましたが精神安定剤としてカウンター ポイズも併設しました。なお、本マイクロバートアンテナはアンテナ本体と給電線との間に 300μHの高周波チョークコイルがあり、そのままではロングワイヤーにならないので1.9MHz 運用時はチョークコイルを取り外してM-A-JJ中継ジャックでバイパスするように工夫して います。また、本チョークコイルは2階ベランダにあるのでこの作業は簡単に出来ます。

160mアンテナSWR 1.9MHzロングワイヤアンテナのSWR特性です。SSB/AMの運用周波数帯(1.845〜1.875MHz) で優秀なSWR特性が得られました。アンテナチューナー無しでこの特性が得られたのは 大成功だったと思います。ただ、ノイズレベルが常時S9くらいあるのはこのバンドの 宿命でしょうね。現状ではまだ受信しか使っていませんがおいおいと送信テストも したいと思っています。

160mアンテナSWRnew 3.5MHz用のアンテナが延長コイル挿入で1.9MHzのロングワイヤアンテナとして使える事が 分かったので7MHzダブルバズーカアンテナでも試して見ました。形状はT型ロングワイヤ になりますが、もしかして垂直部分の割合が大きいので打ち上げ角が低くDXに向いている かも知れません。2階ベランダでの作業(高周波チョークコイルのバイパス)も不要と なり便利になります。結果として、延長コイルの巻数を7回増加したらSWRがストンと 落ちました。ただし、3.5MHz用のアンテナに比べるとSWR値が若干高くなりましたが十分 使える値です。遠距離交信には本アンテナが有利と思いますが今後試して見ます。

(2) 3.5/7MHz用アンテナ

DPAnt 現在使用中の7MHz逆V型半波長ダイポールアンテナと3.5MHzマイクロバートアンテナです。 両アンテナの同軸ケーブルを個別に設けてスイッチで切替えています。 以前GPアンテナや短縮型ダイポールアンテナを使っていましたが、特に3.5MHzの飛びが良くなく、 アンテナチューナーを使っても調整がシビアだったのでこれらのアンテナに変更しました。 その結果、7MHzでは最良SWRが1.1でバンド内で1.5以下となり、3.5MHzでは最良SWRが1.2で SSBバンド内でほぼ1.5以下となりました。

マウスを画像に重ねると画像が拡大 されます。(以下同様)

アンテナ配置 我が家のアンテナの配置図です。狭い敷地のためエレメントを1直線状に張れないのでエレ メントが折れ曲がっています。本当なら20m位の鉄塔を建設してアンテナを回転 出来たら最高なのですが、狭い敷地の戸建て住宅なのでお隣さんへの気配りや小生の年齢を 考えるとこの様なアンテナが限界です。台風が来たら滑車で給電部をベランダまで降ろします。 敷地の形状からアンテナの指向性は東西方向と考えられますが、アンテナ高が1/4波長より 著しく低い場合は指向性は8の字とはならずむしろ円形に近くなると言われています。DXに 興味のない小生に取っては国内通信が主目的なので問題ありません。

3.5mhzSWR 3.5MHzマイクロバートアンテナの説明図です。以前、フルサイズダイポールアンテナを張って いたのですが、狭い敷地に無理やりクネクネ曲げていたので共振周波数範囲が狭く使い難い 点があったので本アンテナに変更しました。マイクロバートアンテナはコブラアンテナの ラジエータ部分を短縮したもので基本的には1/2λダイポールアンテナです。 下側エレメントを同軸ケーブルで代用して高周波チョークにより高周波的に約1/4λに分離 しています。 マイクロバートアンテナの最大上下エレメント長は0.2λになり、一般に上側エレメントを 延長コイルで大きく短縮する場合が多いです。小生の場合は敷地に30mくらい張れそうなので 全長28mくらいで設計しました。下側エレメントは標準通りの3D2V同軸ケーブル17mで多少 折れ曲がっても良いのでメインポールのトップまで垂直に伸ばし、その後水平方向に「コの 字型」に曲がっています。延長コイルは上側エレメントの長さが11mの場合、所要インダク タンスを求めたら21μHだったので塩ビパイプVU40に1.2mmエナメル線を23回密巻きで完成 しました。

3.5mhzSWR 3.5MHzマイクロバートアンテナの給電部です。上側が同軸エレメントで下側が給電ケーブル です。塩ビパイプVU40の内部に2組のRFチョーク コイルを内蔵しています。コイルはFT140-43に1.5D-2VのW1JR巻き14回でインダクタンス 150μHが得られました。2個直列で300μHとなり、3.5MHzでのインピーダンスは6.5kΩ なので高周波阻止能力は十分です。下部エレメントの3D-2V同軸ケーブルは給電部から ほぼ垂直にメインポールトップまで引っ張られています。

3.5mhzSWR 3.5MHzマイクロバートアンテナの中央部です。センターサブポールの近くで重い延長コイル を支えています。コイルの左側が同軸ケーブル、右側がビニール電線です。 エレメントの高さは約5mで3.5MHzとしてはとても低いですが我が家の狭い敷地ではこれが 限界です。

3.5mhzSWR 3.5MHzマイクロバートアンテナのSWR特性です。SSBバンド内でのSWRがほぼ1.5以内に収まって おり約70%の短縮アンテナとしては合格です。

7mhzSWR 7MHzフルサイズダイポールアンテナのSWR特性です。全バンド内でSWRが1.5以下となっており、 さすがにダブルバズーカダイポールアンテナは広帯域です。アンテナアナライザーで測定 した最良インピーダンスは44±0ΩでSWRは1.15でした。アナライザーの購入に合わせて 同軸給電線の長さを1/2波長(約13.7m)に正確に合わせました。その状態でアンテナ エレメントを調整したらSWR特性は各段に向上しました。

切替器回路図 HF帯アンテナ切替器の回路図です。1台の送受信機が複数のアンテナを使用する場合はあまり問題に なりませんが、1本のアンテナを複数の送受信機が使う場合は誤って送信すると他の受信機のフロント 素子を損傷したり、送信機のファイナルを飛ばしたりする恐れがあります。そこで切替スイッチの 余った端子を利用してアンテナに接続されていない送受信機は51オームの抵抗で終端しています。 送信波形の観測と送信周波数の測定のために-25dB(20dBのフェライトコアカップラー+5dBの抵抗 ATT)のモニター端子を設置しています。小生のHF帯トランシーバはアナログなので特に3.5MHzでは 正確に3kHz毎に並んで電波を出す必要があります。周波数カウンターを接続して無変調で送信すれば 僅かに漏れたキャリア成分から周波数が判明するので便利です。

(3) 28MHz

28MHzアンテナ 28MHzの移動用アンテナとしてマイクロバートアンテナを自作しましたが、最近になって太陽活動が 盛んになりハイバンドのコンディションが上がって来たので固定局用に改造しました。と言っても 上側エレメントをフルサイズ化した「コブラアンテナ」に変身しただけです。下側エレメントは2.1m 長の同軸ケーブルをそのまま使用しました。上側エレメントはロッドアンテナからアルミパイプに 変更しコイルを撤去して長さを2.5mに長くしています。因みに写真の左側がコブラアンテナです。

28MHzアンテナSWR 28MHzコブラアンテナのSWR特性です。NanoVNAを使って上側エレメントの長さを調整したところ 最良SWRがほぼ1.0になりました。マイクロバートアンテナではここまでSWRが下がらないので 「さすがフルサイズ」と言ったところです。写真は28.0〜29.0MHzのSWR特性で28.4MHzでSWRが 1.0になっています。なお、29MHzでFMを運用する場合は上側エレメントを短くする必要があり ます。

(4) 50MHz

50mhzSWR 7MHzダブルバズーカダイポールアンテナが実は50MHzでも十分使える事が判明しました。 NanoVNAという便利なアンテナアナライザを購入したのでこのアンテナのSWR特性を測定した ところ、7MHzの第7次高調波となる50MHzでのSWRが1.75以下になる事を発見しました。 指向特性がどうなるのか不明ですが実際に交信したところ十分使えました。以前、50MHzの ダブレットアンテナを設置しましたが外来ノイズが酷くて実用にならなかったため撤去した ので現在固定局運用に使用しています。写真は50.0〜52.0MHzのSWR特性で最良SWRは1.25です。

(5) 144/430MHz

V/UHFアンテナ 144/430MHzで使えるデュアルバンドGPアンテナを自作しましたが最終的にアースが不要な ノンラジアルホイップアンテナに交換しました。コメットのSB7というアンテナです。 ノンラジアルなので設置がとても簡単です。SWRも両バンドで1.5以下になっています。 なお、右側が144/430MHz用アンテナSB7です。

2.移動局用アンテナ

(1) 50MHz

アンテナポール アンテナポールは全長5.4mのグラスファイバポールをネットオークションでゲットしました。 World Wide社のW-GR-540H Miniという製品ですが先端部が極細のため9段(長さ4m)部分を 使います。最下部の直径は3cmもありますが収納長が57cmなので運搬が非常に楽です。なお、 本ポールは7MHzの半波長ダイポールアンテナにも使えるように先端から13cmの場所にバラン を吊り下げるための金具を取り付けています。

50Mアンテナ 自作した50MHzV型ダイポールアンテナです。塩ビパイプ (VU40)を使って小型化すると共にロッドアンテナを着脱可能にして持ち運びを楽にしました。 ロッドアンテナ取付金具はステンレス製L型金具をペンチで60度に曲げてアンテナ角度が120度 になるように加工しました。内部には以前使っていた平衡・不平衡の1:1整合バランが入って います。本アンテナは3脚でも4m長のグラスファイバーポールでも使用できてEスポが出たら SSBでもAMでも楽しめます。

zepp 8mm径のアルミパイプと釣竿の細い部分を接続して全長2.85mの電圧給電型垂直 アンテナを作りました。フルサイズ化して長くなったので風がない時しか使えないのが 欠点です。

tseppcircuit 新しい1/2λフルサイズ電圧給電アンテナの回路図です。VU40塩ビパイプ内にコイルと50pF のバリコンを収納したのですが写真を撮り忘れました。大体30pFあたりで50.5MHzに共振 しました。全体的に軽量なのでトランシーバの上部アンテナ端子に直付け出来ます。

handydp 50MHz用V型半波長ダイポールを何とかトランシーバに直付けして歩きながら交信出来ないか 検討しました。長さ50cmの塩ビパイプにMPコネクタを取り付けてOKとなりましたが 何だか目立ち過ぎますね。正直、使い勝手はあまり良くないです。

(2) 144/430MHz

VX-3 登山のお供として買ったラジオ受信機能付きハンディトランシーバーVX-3です。手のひらに スッポリ入るほどの超小型軽量が気に入りネットオークションで中古品を入手しました。 登山時にラジオは必携でありついでに山頂でCQCQ!も出来ます。送信出力は144MHzで1.5W、 430MHzで1WのQRPですが、付属の小さいアンテナから普通のホイップアンテナ(ダイアモンド 製RH770)に取り替えた事もあり山頂からだと結構飛んで行きます。本機も散歩がてらの 移動に良く使います。

移動運用1 バッテリーによるSSBの移動運用例です。簡単に移動運用が出来るようにホイップ アンテナ取付用BNC端子を増設しました。ホームセンターで買ったL型金属板を筐体 側面にネジ止めしドリルで側面に開けた穴から1.5D2Vの同軸ケーブルをアンテナ端子 にハンダ付けしました。ホイップアンテナはダイヤモンド製のRH-770で144MHz帯での ゲインが3dBほどあります。移動運用時は12V10AHのバッテリーを使いますが重量が 3kg以上あり重いのが難点です。

移動運用2 移動運用時にもっとアンテナ効率を高めるためホイップアンテナを地上から4m程度 持ち上げる事にしました。その結果、八木アンテナのように方向調整をしなくてもより 遠くまで電波が届くと思います。アンテナ基台はホームセンターで買ったアルミ製 L金具に両端オスコネクター(BNC-A-JJ)を接着して直径1cmのアルミパイプをネジ 止めして作りました。基台をアンテナポール先端に差し込めば地上高5m、ゲイン3dBの 無指向性アンテナになります。SWRを測定したところ145MHz、433MHzとも無調整で 1.1以下となり完璧です。

八木アンテナ 430MHz用の5素子軽量八木アンテナを自作しました。ネットで見かけた例を参考にして ホームセンターで材料を集めました。適当な寸法でアンテナ解析フリーソフトMMANAで 試算したところ、433MHzのアンテナインピーダンスが39オーム、SWRが1.28になったので ガンママッチで整合を取ればSWRの最良点が見つかると考えました。写真は完成後に ハードオフで買った324円のカメラ用3脚にL型金具で固定した状態の八木アンテナです。 垂直部は長さ50cm直径18mmの塩ビパイプをU字型金具2本で固定しました。全ての パーツを50cm以内の長さに抑えたので持ち運びに便利です。

アンテナ寸法 5素子軽量八木アンテナの仕様を紹介します。エレメントは直径2mmのピアノ線、ガンマ ロッドは直径2mmの銅線、ブームはコの字型のアルミバーです。エレメントを固定する 部品は両端にネジ穴が切られた長さ1cmの6角スペーサーにドリルで穴を開けた物です。 20pFのトリマーと4cmのガンマロッドでSWR最良値が1.1となりました。当初、10pFのエア バリコンを使いましたが430MHzという高い周波数ではバリコンの寸法が無視出来ない ためか同調点が見つかりませんでした。ブーム長が50cmと短く重量も200gしかなく小型 軽量なので移動運用に便利です。メーカー製ホイップアンテナよりもゲインがあり、 指向特性も良好なので暖かくなったら山頂や丘の上からオンエアーする予定です。

指向特性 電界強度計を自作したので5素子軽量八木アンテナの指向特性とゲインを測定しました。 建物等からの反射を避けるため自宅近くの公園で測定しました。10m先の送信機からの 1Wの信号を電界強度計で測定しました。残留雑音は八木アンテナで0.5V、ホイップアン テナで0.8Vでした。八木アンテナの直角方向で受信入力が小さくなるので残留雑音分を 差し引いた以外は無視しました。AD8307の感度が-50dBmで1.0V、傾きが25mV/dBである と仮定して出力電圧の変化から指向特性をグラフ化しました。 八木アンテナを前方方向に向けた時は測定者の影響は少なかったですが、反対方向に 向けた時は立つ位置により測定値が大きく変動したので90度〜270度は大雑把な測定と なりました。結果は、前方方向はかなり広い角度で受信、直角方向で最も減衰が大きく、 F/B比は15dBという事が判りました。因みにホイップアンテナ(ダイヤモンド製RH770) に対して8dBのゲインがありました。カタログによるとRH770のゲインは5.5dBiなので この八木アンテナのゲインは13.5dBiとなります。因みに、MMANAでの解析結果が 1.2m高のリアルグラウンドでのゲインが12.60dBi(自由空間では9.28dBi)、F/B比 が16.39dBだったので測定結果は試算値にかなり近いと思います。素人が自作したアン テナとしてはまあまあの出来ではないでしょうか。

移動運用 八木アンテナが完成したので自宅から歩いて20分くらいの小山田緑地公園の見晴台から 移動運用しました。ここは目の前に丹沢山塊と富士山頂が見える標高150mの芝生の丘です。 八木アンテナはカメラ用3脚に取り付けて手動で回転させます。八木アンテナ+出力2Wな のでかなり遠くの局と交信が可能であり電池上がりの心配も小さく本気で楽しめます。

ループ八木 ネットサーフィンしていたら「ループ八木」というアンテナに遭遇しました。以前から 似たような写真は見たことがありますが、ゲインも高く簡単に作れる事が分かったので 早速自作に取り掛かりました。参考にしたのは「グローバルアンテナ研究会」が CQ誌2006年4月号に掲載したGM-4アンテナです。研究会によると3エレループのゲイン が5エレ八木に匹敵するらしいので八木アンテナを壊して4エレループアンテナを作る事 にしました。エレメントの位置と寸法はGM-4と同じでエレメントが直径2mmの銅線に、 ブームがコの字型アルミバーに変わっておりブームには余計な穴が残っています。 ハンディ機に直接取付けて運用出来るように長さ30cmの塩ビパイプにM型コネクターを 接着して長さ50cmの3D-2V同軸ケーブルで接続しました。430MHzは垂直偏波なので八木 だと下側エレメントが邪魔になりますがループ八木は少しだけ楽です。ハンディ機の アンテナコネクターがSMAかBNCなのでこれ以上長くするとコネクターが可哀そうです。 なお、50cm同軸ケーブルの電気長は430MHzの1/2λの整数倍に近く反射などの影響が 最小になると思われます。 本アンテナはエレメントをブームに固定しているため分解・収納は出来ないので持ち 運びは不便ですが、軽いのでリュックサックの外側に取り付ければ山にも持って 行けます。

給電部 給電部の写真です。放射器エレメントをBNCコネクターに直接半田付けしました。1λの 単一ループだと給電点インピーダンスは110Ω前後ですが導波器や反射器を適切な間隔で 設置すると50Ω近くになるらしいです。参考までに各部の寸法は以下の通りです。
第2導波器:位置0mm、長さ625mm、第1導波器:位置220mm(EL間隔220mm)、長さ668mm、 放射器:位置293mm(EL間隔73mm)、長さ708mm+SWR調整用余長、反射器:位置397mm (EL間隔104mm)、長さ749mm

周波数調整 GM-4アンテナと全く同じ寸法で作りましたが共振周波数調整のため第1導波器 の長さを可変出来るようにしました。エレメントを固定するネジを2個にしており、 希望する周波数でSWRが最小になるようにしてネジをしっかりと締め付けます。

SWR 本アンテナをカメラ用3脚を使って地表からの高さ150cmに設置してSWRが最小に なるように第1導波器の長さを調整しました。その結果、430〜440MHzでSWRが1.3以下と なりました。理想的なV字型のカーブになっていませんが小生は衛星やリピータには縁が ないので430〜435MHzで問題なければOKです。SWR計も手作り品なので余り細かく調整 しても意味がありません。本アンテナの再現性は作りっ放しでもかなり高そうです。 早速RH770ホイップアンテナと受信の比較テストをしましたが、本アンテナの方が受信Sで 1〜3くらい上昇しました。指向性もサイドの切れ、F/B比とも優秀で全体的に以前の5エレ 八木アンテナ以上の成績です。送信テストはこれからボチボチやって行きます。

Moxon ANT 144MHzの移動運用ではダイヤモンド製RH770ホイップアンテナを使っていますが、 430MHzに比べるとゲインが劣ると感じます。ノンラジアルの1/2λなので仕方があり ません。そこで、もう少しゲインの取れる八木アンテナの自作を考えましたが、3エレ でも大きさは無視出来ず、持ち運びや運用が問題になりそうです。例によってネット サーフィン中に「モクソンアンテナ」を発見しました。このアンテナは2エレですが ブームが短くエレメントが折り曲がっており移動運用に向いていると思われます。 写真はモクソンアンテナの設計図です。ネットで見つけた設計図をそのまま使わせて 頂きました。 折り曲げた2本のエレメントの間隔17mmがSWR調整に重要だと書かれていましたが、 2本のエレメントがループ状になりこの間隔のキャパシティがアンテナのインピー ダンスに影響するのでしょうか。果たしてその通りに工作出来るか心配ですが兎に角 やって見るしかありません。

Moxon 完成 完成したモクソンアンテナの写真です。ブームは35cm長x18mmΦの塩ビパイプ(VP13)、 エレメントは直径3mmの銅パイプです。給電部で3D2V同軸ケーブルをエレメントに半田 付けして塩ビパイプの中を通して反対側から出しBNCジャックを取り付けました。 工作技術が余り高くないため銅パイプの折り曲げに苦戦し設計図通りに完成しません でした。そのため、SWR調整時の最重要項目の17mmが結果的に35mmになりました。 35mmの空間は100円ショップで買った細い竹の棒で固定した後に熱収縮チューブで固め ました。430MHzループ八木アンテナはハンディー機に直付け出来て大変便利だった ので本アンテナも無理やり直付け可能としました。ハンディー機のアンテナ端子には 可哀そうですが歩行運用も何とか出来ます。分解して小さく収納は出来ませんが ポールの先端に取り付ければ車での移動運用に使えそうです。

Moxon SWR カメラ用3脚を用いて地上高150cmに固定した144MHzモクソンアンテナのSWR特性です。 小生のアンテナアナライザーは55MHzまでしか 使えないため手作りのSWRメーターだけでSWRの最適調整をしました。2本のエレメント を少し長めに作っておき少しずつ切断しながらSWRが下がるようにしましたが、当初の 4.0辺りから1.5以下に下がるまで丸1日を要しました。 SWRに影響する度合いは放射器エレメントが80%、反射器 エレメントが20%でお互いに関連しています。あー疲れたー。設計図と若干異なった 結果になったのでゲインや指向性が最適になったかどうか自信はありませんがSWRが1.2 以下になったのでこれで良しとします。最後に本モクソンアンテナの出来上がり寸法を 報告します。設計図の寸法と比較して下さい。
710mm→730mm、154mm→140mm、112mm→110mm、17mm→35mm、283mm→285mm
早速受信テストをしましたがRH770よりSメーターのバーが1〜2個増えました。指向性も そこそこ有るので移動運用に使えそうです。まあまあ目的達成です。送信テストはボチ ボチやって行きます。

追伸:その後、ネットサーフィン中に上記設計図で示した各サイズはMoxGenという フリーソフトから得られた数値であり、MMANAでシミュレーションした結果と合致 しない問題があるらしい事を知りました。 その情報によれば、W4RNL氏のブログにある計算ソフトの方がより合致するとの事でした。 早速そのフリーソフトで計算したところ、小生が作成したアンテナ寸法により近い数値 になり安心しました。肝心のエレメント間隔の計算結果は32.4mmでしたがエレメント の直径によって異なる数値になるようです。因みに計算結果は以下の通りであり、小生 作成アンテナとの比較です。結局、2つのフリーソフトから得られたデータは若干 異なりますが、実際に作成したアンテナが目的周波数で共振しSWRが下がれば問題 ないのでどちらを信用するかは自由です。2人のフリーソフト提供者に感謝!です。
730mm→744.5mm、140mm→142.6mm、110mm→100.9mm、35mm→32.4mm、285mm→275.8mm

(3) 3.5/7MHz

・7MHz 1/2λフルサイズダイポール

移動運用 最近、HF帯の移動運用を始めました。特に7MHzは曜日にかかわらずいつでも誰かがオンエアー しています。写真は7MHz用フルサイズのダイポールアンテナです。 送受信機は自作のデジタル周波数表示の5WSSBトランシーバで12Vバッテリーで運用します。 しかし、5WのSSBでは7MHzのハイパワー局になかなか取って貰えませんでした。CWでは 5Wでも通用するらしいのですが・・・。

・7MHz VCHバーチカル

VCHAnt1 フルサイズ水平アンテナでのHF移動運用は設営が大変なので、垂直アンテナの検討を しました。その結果、VCHアンテナが最も飛びが良いらしい事が判明したので7MHz用VCH アンテナの自作を決めました。写真は完成後の各パーツです。VCHアンテナは最低でも1本の 地線が必要ですが、単に地面に放り投げておけばよいので長いエレメントを空中に張るより 格段に簡単です。移動運用では飛びの良いフルサイズのアンテナでなくてもコンディション 次第では設営が簡単なバーチカルアンテナでも十分実用になります。

VCHAnt2 7MHzVCHアンテナのメインパーツです。延長コイルはホーム センターのエアコンパーツ売り場で見つけた直径55mm、長さ20cmの塩ビパイプを17cm長に カットした後に1.2mmの エナメル線を36回巻きました。ネット検索では500mlペットボトルに30回巻きが標準のよう ですがエナメル線の長さがほぼ同じになるように巻数を決めました。コイルを綺麗に巻く ために6本の自在ブッシュを使いました。塩ビパイプの上下にVU50サイズの蓋を接着しま したが自在ブッシュ込みでピッタリ嵌りました。上部エレメントは放射効率を上げるため 線径が少しでも太くなるように1.5D-2Vの同軸ケーブルを使い長さは1.45mです。

VCHAnt3 7MHzVCHアンテナの上部・下部エレメント、給電部、3本の地線です。下部エレメントは 標準通りの3.4m、地線も標準通りの5.2m、給電部はVU40の塩ビパイプで内部にフロート バランを挿入しています。バランはFT-140-43に1.5D-2V同軸の6回巻きです。

VCHAnt4 7MHzVCHアンテナの回路図です。説明は上記に書いている通りです。地線は多いほど SWRの再現性が良いので3本にしています。1本だと場所によってはSWRが十分落ちない 場合があります。

VCHAnt5 近所の公園に設営中のVCHアンテナです。コイル上部のファイバーロッドが細いので風が 強い日は使えません。短縮型垂直系のアンテナにしてはSWRが1.5以下のバンド幅も広く 取れており電波の飛びも半波長ダイポールアンテナに引けを取りません。狭い敷地 での設営、運用とも楽になりました。VCHアンテナの再現性の良さは抜群で、色々な場所 で設営してもほとんど無調整で使えます。

VCHAnt6 7MHzVCHアンテナのSWR特性です。5.2m地線が1本の時は1.5までしか下がりませんでしたが、 3本にしたら1.04まで下がりました。小生はラグチュー派なので主に7.1MHz付近に出ており このSWR特性はほぼ満足出来ます。

・7MHz 1/2λフルサイズ及び3.5MHz 1/2λ短縮電圧給電(ツェップ)

zepp1 暫くの間VCHタイプの垂直アンテナを使っていましたが、細いアンテナポールに大きなコイルが 付いているため一寸でも風が吹くと不安定になり困りました。そこで、給電部を低く出来て もう一端を固定すればよい電圧給電(ツェップ)アンテナを自作しました。 ついでに、3.5MHzにも出られるように2バンド化しました。 写真は2バンド給電部と7MHz用フルサイズエレメント(20m)です。 給電部には耐圧500Vの200pFバリコンに3個の1000pFコンデンサをシリーズに接続した同調用 コンデンサ(実質125pF)を内蔵しています。バンドの切り替えはコイルのタップ位置を変えた 後にバリコンで行います。エレメントが長いので設営は大変ですが、SWRは両バンドとも1.1 以下にバッチリ落ちました。地上高が低いアンテナですが、さすがにフルサイズ又は フルサイズに近いアンテナなので飛びも良かったです。ただし、VCHアンテナに比べると設営が やや面倒なのとバンド毎にコイルとバリコンの調整が必要という欠点はあります。

zepp2 写真は3.5MHz短縮エレメントです。長さは約25mです。設計上は26mでしたが延長コイルの 巻き数が多かったためかエレメントは1mほど短くなりました。エレメント長はホット側が20m、 コールド側が5.2mです。延長コイルは直径50mmのVU40に0.55mmエナメル線の密巻き26回で インダクタンスは約50μHです。当初、延長コイルの巻数を決める時に単純に40m-26m=14m ほど巻けば良いと思い、90回巻いたのですがSWRが全く下がらなかったのでネット検索した 結果、48μHという情報を得ました。延長コイルの巻数はそんなに単純ではない事が分かり ました。密巻きでは線間の浮遊容量が大きくなり計算上の長さより随分短くなるようです。

zepp3 7MHzフルサイズ及び3.5MHz短縮ツェップアンテナの回路図です。説明は上記に書いている 通りですが、ここではコイルタップとバリコンで整合を取る方法について説明します。 メインコイルのアンテナとアース端子間に5kΩの抵抗を繋いでSWRが最小になるポイント を探します。 VHF/UHF帯では抵抗は最短距離で半田付けする必要がありますが3.5/7MHzではミノムシ クリップで接続しても問題ありません。設計資料では3.5MHzでは22μH/90pF、7MHzでは 11μH/45pFと言われているので、大体の位置を想定しその辺りのポイントで調整します。 実際、最良のポイントでSWRが1.0になりました。その後、抵抗の代わりに実際に エレメントを張ってSWRが最小になるようにエレメントを切り詰めて行きます。

zepp4 写真はツェップアンテナのエレメントを張るためのポールです。左側は給電部を固定する 2.2m高のアルミ製2段伸縮ポールで少しでもコイルを金属から離すためにトップに短い塩ビ パイプを連結しています。中央は長いエレメントの中央部分を待ちあげるための4m高 グラスファイバ製伸縮ポールです。右側はエレメント終端側を固定する1.8m高のアルミ製 2段伸縮ポールです。設営場所に3本のポールを固定する物がない場合に備えて2種類の金属製 の杭を用意しています。左右の2本は60cm長のロープ止め丸棒杭にVP30塩ビパイプを固定、 中央は長さ60cmのL型アルミ鋼材にUボルトを固定したのでポールの取外しは簡単です。小生 は車での移動はほとんどしないのでタイヤベースやモービルホイップアンテナは持って いません。

zepp5 写真は近所の公園に設営した7MHzツェップアンテナです。フルサイズなのでエレメントの 長さが20mもあり向こう側のポールがほとんど見えません。中央付近ポールはエレメントを 持ち上げるためのグラスファイバです。

zepp6 7MHzツェップアンテナのSWR特性です。平均地上高が3mしかありませんが流石にフルサイズです。 SWRはそこそこ使える値になっています。

zepp7 3.5MHz短縮ツェップアンテナのSWR特性です。エレメントの長さが25mもあり、途中に延長 コイルが入っているのでかなり垂れ下がります。途中にもう1本の支柱があると良いのですが。 短縮率63%のアンテナですがSWRはそこそこ使える値になっています。

35vertant1 3.5MHz短縮ツェップアンテナは公園など広い場所では便利ですが山頂からは難しいので垂直 アンテナを検討しました。7MHzVCHアンテナは再現性が高いので3.5MHzのVCHアンテナが作れ ないか調べたのですが、ポールの高さが10m以上ないと実現は難しい事が判明しました。 そこで、7MHzVCHアンテナの上部エレメントと延長コイルを利用して3.5MHz 1/4λ短縮バーチカルアンテナを作る事にしました。延長コイルを新規に追加し地線を2本張 れば何とかなるのではと考えました。写真は完成した3.5MHz用延長コイルと2本の地線ですが、 コイルの容量をどのように決めたら良いのか大いに悩みました。延長コイルが1個の場合の 計算ソフトは容易に見つかるのですが2個となるとサッパリ分かりません。そこで、7MHzVCH アンテナの上部エレメントの電気長が14m(約3/8λ弱)と仮定して20-14=6mのエナメル線を 巻いてコイルを作って実際にSWRが下がるまで巻数を減らしました。この作業は相当 辛い物でしたが何とかSWRがストンと落ちる巻数を見つけました。コイルの下部はタップ を出すために自在ブッシュを使いました。地線は0.9mmΦのインターホン用単線ケーブル です。使い勝手が悪いのでその内もっと太くて柔らかいビニール電線を買う積りです。

35vertant2 3.5MHz1/4λ短縮バーチカルアンテナの回路図です。新しい延長コイルの上部エレメントは 7MHzVCHと同じ3.4mとしました。一番苦労したのは2本の地線の長さでした。最初、単純に 1/4λ=20mとしましたが、SWRは下がってもリアクタンス分が0にならず(共振せず)、一直線状 に伸ばした時、角度を付けて伸ばした時、とぐろを巻いた時に微妙に共振周波数が変動して ほとんど再現性が在りませんでした。 そこで、少しずつ地線の長さをカットした後にコイルのタップ位置を変えてSWRが最良になる ポイントを探しました。最終的に地線の長さを16.8mとし一直線状に延ばして張った時が最も 再現性が高い事が分かりました。

35vertant3 3.5MHz1/4λ短縮バーチカルアンテナのSWR特性です。何と短縮ツェップアンテナに負けて いません。わずか5m高の1/4λ短縮バーチカルアンテナとしては驚きの結果です。 放射効率が高くなるよう大型延長コイルを高い位置に上げるというVCHアンテナの特長 が現れているようです。実際の運用でどのくらい電波が飛ぶか楽しみです。

(4) 7(現状3.5)〜50MHzマルチバンド1/4λバーチカル

rhm8b 大昔に買ったダイヤモンド製7〜50MHzマルチバンドバーチカルアンテナがある事を思い 出しました。 余りに短縮率が大きいのでHFバンドでは使えないと思って仕舞い込んでいましたが、 上部エレメントを長くして放射効率を上げる事にしました。本アンテナはBNCコネクタ なのでグラグラで強度に問題があるため自作の強化グリップでM型コネクタに変更して います。TSソケットなる塩ビパイプを加熱して加工しました。作成方法は「RHM8B強化 ソケット」で検索すれば見つかります。摺動コイルと114cm長ロッドアンテナ間に 150cm長の延長用アルミパイプを挿入しました。アルミパイプは古いGPアンテナの短縮 ラジアルの再利用で10mm径と8mm径の2本から構成されており縮めると80cmになります。 結果的に上部エレメントが150cmだけ長くなった事になり放射効率が上がったと思われ ます。

rhm8b 長尺化したRHM8Bアンテナで運用中の写真です。強度的に余り強くないですが垂直に 立てる限り問題はありません。総体的にアンテナの高さが相当上がりました。 共振する摺動コイルの位置がオリジナルより下方向に下がりますが50MHzまで使えます。 ただし、50MHzでは延長用アルミパイプを取り外す必要があります。このアンテナは 適切なカウンターポイズを用意すればHFバンドでも十分使えます。

rhm8b RHM8Bアンテナの共振調整はFT817に内蔵のSWRメーターを見ながら行いますが、小生の FT817はメーターの液晶表示に問題があるのでSWRインジケーターを自作しました。 SWR最良でメーターの針が最小になるので調整が非常に楽になりました。トランシーバ に直結出来るようにMP/MJ接栓としています。なお、内部の配線がグチャグチャなので ハラワタは開示出来ません。余談ですが、アンテナを接続しないでメーターの振れ を最大にした後にアンテナを接続したらSWRの測定が出来ます。ただし、小さなメーター にSWRの目盛りがないので概算値になります。50%の振れでSWR=3、中央から0%までを 3等分し、SWR=2、SWR=1.5と見做します。針がピクンと動いたらSWR=1.1以下と判断 します。

rhm8b SWRインジケーターの回路図です。アンテナのインピーダンスが50Ωになればブリッジ が平衡状態となり検波電圧が最小になります。50Ωの抵抗は2W100Ωの並列なのでFT817 の最大出力5Wに耐えられます。

rhm8b RHM8Bアンテナで何とか3.5MHzに出れないか考えました。短縮率が大きいのでローカル しか届かないと思いますがやって見る価値はあります。早速ネットで探すとロッド アンテナの先端からペットボトルに50ターンコイルを巻いて釣竿にぶら下げる方法、 摺動コイル先端に5m、10m、20mの電線を付ける方法等が見つかりました。いずれの 方法も別ポールが必要なのが欠点です。そこで、直径0.7mm長さ5mのエナメル線を コイル状に巻いてRHM8Bの摺動コイルの上部に挿入する方法を考えました。VU40の 塩ビパイプに33ターン巻いて上下に木工に使うM5サイズの「爪付Tナット」をメタル ロック接着材で取り付けました。上部をオス、下部をメスタイプにすれば簡単に 取付け取外しが出来ます。延長コイルのインダクタンスを測定したら70μHでした。 延長コイルを取り付けて摺動コイルを調整したら目盛19cm辺りで3.5MHzのノイズが 大きくなる所がありSWRを測定すると最良点が1.5でした。カウンターポイズは7MHz 用の10m電線2本です。参考までに摺動コイルのインダクタンスを測定したら最大値 82μHだったので総インダクタンスは70〜152μHになると思われます。アンテナの 全長は310cmとなるので短縮率は約15%です。これでRHM8Bアンテナで3.5〜50MHzまで 簡単に運用可能となりました。小生の移動運用は山頂や丘など見晴らしの良い 場所から電波を出すのでこのようなプアなアンテナでもそこそこ飛ぶのではと期待 しています。

(5) 7/18/21/24/28MHz V型ダイポールアンテナ

エレメント 高台や公園でのHF帯の移動運用はある程度の広さが必要です。そこでアース(カウンター ポイズ含む)不要で狭い場所でも運用可能なV型ダイポールアンテナを作る事にしました。 どうせならマルチバンド化したいので周波数は7/18/21/24/28MHzにしました。長尺の ロッドアンテナがあれば良いの ですが1.5m以上の物は入手が難しいためアルミパイプを継ぎ足す方法としました。7MHzは 延長コイルが必要ですがその他のバンドは延長コイルをミノムシクリップでショートし エレメントを直結してフルサイズ化します。 片方のエレメントの長さは運搬、組み立てが楽な様に最長4m以下とします。強度を考えると アルミパイプは太い方が良いのですが、重量を考えて12mmΦx1m、10mmΦx1m、8mmΦx1m、 6mmΦx1mとしました。延長コイルとの接続はオスメスのM5ネジで行うので取り 外す事も出来ます。アルミパイプ先端に爪付きナットをメタルロックで接着しています。 そのままだと導通が無いのでパイプにネジ止めした銅線を爪つきナットに半田付け しています。12mmΦパイプとアンテナ 基台の接続のためパイプの先端にU字型の溝を作りました。これで簡単に取付け、取外し が出来ます。下部の2本、上部の2本のエレメントは縮長時は1本に収まるので運搬時は 1m長エレメントx4本になります。新規に購入したエレメントの材料費は約2,000円です。

延長コイル 7MHzではどうしても延長コイルが必要です。コイルの位置はベース部よりエレメント 上部に付ける方が良いらしいのですが強度を考えて2mの位置にしました。当初、1mの 位置に取り付けましたが共振時の放射抵抗が25Ωより大きくならないため2mに変更 しました。結果的に放射抵抗が40〜50Ωになると共にSWR特性の帯域幅も若干広くなり ました。延長コイルはエレメント上部に付けるほどフルサイズに近づく様ですがその分 コイルの所要インダクタンスは大きくなります。大凡の延長 コイルのインダクタンスを計算する必要があり、ネット検索すると垂直アンテナの計算例 が見つかりました。垂直とV字形では結果が少し違うと思いますが大まかな値は求まるで しょう。計算の結果、エレメント長3.3mでの7MHzでの所要インダクタンスは30μHとなり ました。ソレノイドコイルのインダクタンス計算ソフトの結果を参考にして、50mmΦの 塩ビパイプに0.7mmΦのエナメル線を21回巻くと30μHのコイルが出来上がりました。 十分な長さのエナメル線が無かったため線径が異なっており恰好が悪いです。 コイルの両端にはM5ボルトをロックナットで接着しました。延長コイルの材料費は約 500円です。

アンテナ基台 アンテナ基台はプラスチック製のまな板を切断して作成しました。切断後の寸法は縦20cm、 横20cm、厚さ0.8cmです。エレメントのV字角度は最初は90度にしましたが、共振時の放射 抵抗が小さ過ぎるため最終的に120度にしました。そのため余計な穴がたくさん出来ました。 50Ωの1:1バランは古いメーカー製の手持ちです。 基台は高さ3mのアルミポールの先端にU字金具で固定します。ポールは3段伸長式で最長3m、 縮長は1mです。このアルミポールは手持ちの物です。新規に購入したアンテナ基台の材料費 は約1,000円です。

試運転 自宅の庭にアンテナを設置してSWRを測定しました。狭い敷地なので隣家や既設のアン テナエレメントの影響があるのかアンテナを水平に回転させるとSWRが変化します。 エレメントのアルミパイプが細いのでかなりしなっています。風が強いとこのアン テナは使えないです。

7MHzSWR グラフは片側エレメントの長さ3.1mでの7MHzのSWR特性です。設計時の計算では エレメント長は約3.3mでしたが実際は20cmだけ短くなりました。多分 コイルの 漂游容量の影響とアンテナの高さが低いためだと考えて良いでしょう。 給電部の高さは3mです。 短縮率が大きいのでSWR1.5以下の帯域幅は50kHz、SWR2.0以下の帯域幅は80kHzしか ありません。おまけに風が吹くと振らつきます。放射効率を考えると延長コイルの インダクタンスを小さくしてエレメントをもう少し長くした方が良いのですが 保守性と安定性を考えると止めときます。

18MHzSWR グラフは18MHzのSWR特性です。片側エレメントの長さ3.9mでの特性です。アンテナの高さが 低いのかSWRは1.35より小さくなりませんが21、24、28MHzではもう少し良いと思います。 そのうち測定しようと思っています。

運搬 写真はアンテナを運搬する時の状態です。練習場に行く時に使っていた小型の ゴルフバッグにアンテナポール、L型アルミアングル、アルミパイプ、延長コイル を入れています。アンテナ基台、同軸ケーブル、無線機はリュックサックで運搬 します。高い山は無理ですが高尾山などの低山なら山頂まで運搬出来そうです。

ロッド対応 写真はアンテナエレメントとして1.5m長のロッドアンテナを使った物です。実は 28MHzの場合、延長コイル上部のエレメント長が最短でも1m以下にならないため 困った末の対策です。手持ちのロッドアンテナのネジ穴が3mmΦのインチネジのため 別の延長コイルを作りました。ついでにV型ダイポールアンテナのエレメント長を 短縮して取扱いを容易にしました。4.5μHのコイルで18MHzの片側エレメント長を 約80cmほど短縮しました。ロッドアンテナの長さを変えることで共振周波数を16MHZ 〜30MHzに連続可変出来ます。

(6) HF移動用マイクロバートアンテナ大集合

7MHzMV1 これまでHF移動用アンテナを沢山作って来ましたがどのアンテナも得失があり、 移動運用に出かける際にどのアンテナにするか迷ってしまいます。そこで、この度 アース(カウンターポイズを含む)が不要なため設置や撤収が最も楽なマイクロ バートアンテナに統一する事を決心しました。更にこのアンテナは短縮型の割には 再現性やSWR特性も優れています。小生の移動運用は昼間に限られる ため3.5/1.8MHzのローバンドは誰も出ていないので7MHzより上のバンドにしました。 写真は7MHz用マイクロバートアンテナです。延長コイル上部のエレメントは160cmの ロッドアンテナで下部カウンターポイズは8.3m長の1.5D-2V同軸ケーブルです。 延長コイルは外径5cmの塩ビパイプに0.8mm径のインターフォン用ケーブルの33回 巻きでインダクタンスは31μHです。RFチョークコイルはFT140-43に1.5D-2VのW1JR 巻き14回です。ロッドアンテナとRFチョークコイルは他のバンドでも共用します。

7MHzMV2 写真は7MHzマイクロバートアンテナの設営状況です。カウンターポイズが8.3mも あるのでこのバンドだけ補助ポールが必要です。補助ポールの長さが2.1mなので 無線機はアンテナポールから6mくらい離れた位置で操作する事になります。

7MHzMV3 グラフは7MHzマイクロバートアンテナのSWR特性です。ロッドアンテナを最長に 伸ばした時に7.04〜7.18MHzにわたってSWRは1.5以下で最良値は1.15であり明らか にVCHアンテナより優れています。

18MHzMV1 写真は18MHzマイクロバートアンテナです。14MHzは海外DXバンドの様ですが 小生は海外DXには興味がないのでパスです。延長コイルは外径5cmの塩ビパイプに 0.8mm径のインターフォン用ケーブルの8回巻きでインダクタンスは4.5μHです。 カウンターポイズは3.2m長の1.5D-2V同軸ケーブルです。ロッドアンテナとRF チョークコイルは全バンドで共用です。

18MHzMV2 写真は18MHzマイクロバートアンテナの設営状況です。アースが不要なため大変 シンプルです。

18MHzMV3 グラフは18MHzマイクロバートアンテナのSWR特性です。ロッドアンテナの長さを 149cmに調整した後のSWRはバンド内で1.3以下で最良値は1.22です。

21MHzMV1 写真は21MHz用マイクロバートアンテナです。延長コイルは外径5cmの塩ビパイプに 1.2mm径のエナメル線の7回巻きでインダクタンスは3.3μHです。 カウンターポイズは2.8m長の3D-2V同軸ケーブルです。ロッドアンテナとRF チョークコイルは全バンドで共用です。設営状況は18MHzマイクロバートアンテナ とほとんど同じですが給電点が若干高くなります。

21MHzMV2 グラフは21MHzマイクロバートアンテナのSWR特性です。ロッドアンテナの長さを 113cmに調整した後のSWRはバンド内で1.6以下で最良値は1.02です。

28MHzMV1 写真は28MHz用マイクロバートアンテナです。延長コイルは外径5cmの塩ビパイプに 0.8mm径のインターフォン用ケーブルの4.5回巻きでインダクタンスは1.9μHです。 カウンターポイズは2.1m長の1.5D-2V同軸ケーブルです。ロッドアンテナとRF チョークコイルは全バンドで共用です。設営状況は18MHzマイクロバートアンテナ とほとんど同じですが給電点が高くなります。なお、最近太陽活動が盛んになり ハイバンドのコンディションが良くなったので上側エレメントをフルサイズ化して (所謂コブラアンテナ)、固定局用に改造して自宅で使用しています。

28MHzMV2 グラフは28MHzマイクロバートアンテナのSWR特性です。ロッドアンテナの長さを 129cmに調整した後のSWRは28〜29MHzで1.5以下で最良値は1.08です。

POLE 写真は上記のマイクロバートアンテナで共通して使用する3脚とグラスファイバーポールです。 アンテナポールは安価な釣竿2本を塩ビパイプで接続したもので伸ばした時の延長コイルの 地上高は3.9mです。短いポールは7MHzのマイクロバートアンテナの8.3mカウンターポイズを 支持するもので伸ばした時の長さは2.1mです。

(7) HFマルチバンドMATCHANTアンテナ(1号機)

GAWANT1 巷ではGAWANTアンテナと言うHFマルチバンドアンテナが評判となっており自作例が沢山紹介 されています。150cm程度のロッドアンテナで目的周波数に共振させて電気長1/2λの 短縮型ツエップアンテナとして動作させる物です。アンテナエレメントが波長に対して大変 短いため超短縮アンテナとなっており、共振しても飛びは余り期待出来ないと思われますが 面白そうなので自作に挑戦しました。図は自作した HFマルチバンドMATCHANTアンテナの 回路図です。2個のコイルをスイッチで切り替えてLow/Highの2バンド化を達成しています。 MATCHANTと命名した理由は小生が町田市在住である事と短いアンテナを共振回路とステップ ダウンコイルでインピーダンスMATCHINGを取っているからです。

GAWANT2 自作例のほとんどは長方形のプラスチックケースを使っていますが小生は塩ビパイプ(VU40) を使いました。寸法は外径5cm、長さ9cmで上下にアンテナコネクターとM型プラグ、側面に切替 スイッチとバリコンを取り付けています。アンテナコネクターとして爪付きナットにM5 サイズのネジを締め付けました。もう1個のコイルはバリコンの下側にあります。

GAWANT3 M型プラグの手前に気休めとしてパッチンコアを取り付けました。本来ならフロートバラン がベストですがスペースの関係で手抜きしました。5W以下のQRP運用なので感電の心配は 無いと思います。

GAWANT4 アンテナ基部の外観です。FT817のアンテナ端子に直付けは少し重たいですが垂直に設置 すれば何とか耐えられそうです。

GAWANT5 アンテナ基部とアンテナエレメントです。エレメントはロッドアンテナだけだと放射 効率が低いので少しでも長くするために下部をアルミパイプ、上部をロッドアンテナと しました。アルミパイプの寸法は8mmΦx50cm、ロッドアンテナの長さは160cm です。アンテナエレメントを目一杯伸ばすと210cmになります。この種のアンテナとして は少しだけ長目です。7MHzでは200cm辺りで共振しますが高い周波数バンドでは共振時の エレメント長がだんだん短くなり28MHzでは50cm、50MHzでは30cmくらいになります。 何故かどのバンドともエレメント長が1/2λの10%くらいで共振(リアクタンスがゼロ) します。エレメント最長時(210cm)でもバリコンを回せばSWRはある程度下がりますが リアクタンス分が残り共振していません。アンテナは共振が命です。SWR値ではありま せん!

GAWANT6 本アンテナはLow側で7MHz〜18MHz、High側で18MHz〜50MHzバンドで共振します。各バンド でSWRの最小値は1.1〜1.5にストンと落ちるので受信は問題ありませんが送信の効率が 心配です。山頂などから送信すれば何とかなるでしょうが共振周波数が大変クリチカル でSWR値もふらつきます。グラフは7MHzバンドのSWR特性です。アンテナエレメント長 200cm辺りでうまく共振しました。短縮率が10%くらいなので低効率、狭帯域になるのは 仕方ありません。

GAWANT7 グラフは21MHzバンドのSWR特性です。アンテナエレメントの長さ調整が必要で 何と75cm辺りで共振しました。折角の長いエレメントが勿体ないです。もっと長いエレ メント長で共振するように改善すべきですがコイルの巻数を変えるのは面倒臭いので 放置します。常時エレメント最長で共振させるにはバンド毎にタップを出して切替え ればベストですが面倒です。短縮率が10%くらいなので狭帯域になるのは仕方ありません が7MHzよりは多少益しです。なお、バリコンの容量が大きいので同調を取るのが大変 難しいです。MACHANTアンテナを総括すると、再現性に若干問題があるので受信には 適していますが送信時は調整が必要です。エレメント長とバリコンを操作すると FT817のSWRバーが消えるので共振を確認出来ます。

GAWANT8 MATCHANTアンテナはトランシーバーに直付けだとエレメントの傾き、地上高、人体や 建物など周囲の状況で共振周波数やSWRが変動します。そこで、3脚を使って給電部を 1.5mに固定しました。この高さだと手を伸ばせばバリコンを操作出来ます。一旦同調 を取ると安定性は良いです。運搬時に3脚が増えますがそれほど重くもなく運用場所 の選定が楽になりました。

(8) 改良型HFマルチバンドMATCHANTアンテナ(2号機)

MACHANT1 GAWANTアンテナもどき(MATCHANTアンテナ1号機)を自作しましたが、アンテナ ゲインが小さく受信は問題ないのですが送信は山頂などロケーションの良い 場所か近距離での交信に限られます。別の欠点としてハイバンドで最良SWRを 得るにはロッドアンテナを縮める必要があり、28MHzや50MHzでは50cm以下と 大変短くなります。これではアンテナゲインが益々小さくなり余程お空のコンデ ィションが良い時しか使えず、過去の移動運用では「ぼうず」になる事が 多かったです。短いロッドアンテナは携帯には便利ですが実戦ではほとんど役に 立ちません。そこで、新作の295cmの比較的長いアンテナを運用周波数に関わ らず可能な限り縮めずに使えるHFマルチバンドMATCHANTアンテナの製作を検討 しました。 ネット検索中に欧米で使用しているフェライトコアによる伝送トランスでマッ チングを取る方法(通称:UNUNコイル)を発見しました。この方式だとアンテナ を最長に伸ばしたままロータリースイッチを回すだけで運用出来そうです。検討 の結果、手持ちの2回路5接点のロータリースイッチと1回路2接点のスナップ スイッチにより1次と2次のコイルタップを切り替える事にしました。これで アンテナを縮めることなく運用可能なSWRが得られると期待します。図は改良 型MATCHANTアンテナ(2号機)の回路図です。コイルは手持ちのフェライトコアFT140 -43に0.7mmΦのエナメル線を巻いて作りました。給電線の影響 をなるべく受けない様にフェライトコア(FT50-43)に0.55mmΦエナメル線を 5回バイファイラ巻きしたフロートバランを取付けました。110pFのコンデンサ はSWRの改善効果があるらしいのですが理屈が良く分からないため放置します。

MACHANT2 表はロータリーSWの切替端子をどう使うかを検討した結果を示します。 1/2λ長のアンテナエレメントを接続したエンドフェッドアンテナのインピー ダンスは一般に3〜5kΩと言われており、給電部の調整時には5kΩの抵抗 がよく使われます。ところが、調整後にフルサイズでなく1〜3mの短いアン テナを使うとSWRが十分下がらない事が多いのが実情です。原因は短いアンテナ のインピーダンスが5kΩから大きく異なるからだと思われます。そこで、295cm のアンテナのインピーダンスが一体何Ωくらいなのかを実験で確かめました。 1次コイル3t、2次コイル20tの伝送トランスを作成し、2次コイルの タップと周波数を変えてSWRが最も下がる点を探し巻数比からインピー ダンスを逆算した結果、周波数によって変わりますがどうやら500〜1.5kΩ程 度と考えられ、5kΩよりかなり低いインピーダンスである事が判明しました。 この実験結果から5個の2次コイルのタップを10t〜18t(2t間隔)、1次コイル のタップを3tと5tに決定しました。この表から、計算上のアンテナインピー ダンスは200Ωから1.8kΩになるので1次と2次のタップを変えればどこかで SWRが下がる筈です。ただし、1/2λ長のフルサイズエレメントではSWRが 下がらず使えない恐れがあります。

MACHANT3 ロータリースイッチとフェライトコアの大きさから考えて今回はタカチのプラス チックケースを購入しました。SW85というケースでサイズは85mmx60mmx40mmです。 ケースの下部にM型コネクタをねじ止め、上部にM5の爪付きナットをメタルロック で接着しました。爪付きナットにM5ボルトを締め付けてアンテナエレメントの 取付台にします。写真は完成後の改良型MATCHANTアンテナ(2号機)の内部です。 フェライトコアFT140-43が大きいため斜めに空中配線しています。コイルの巻数 やタップ位置を何度も変更したので配線が汚くなりました。風がない時は FT817のアンテナ端子に直付け可能ですが、コネクタ部の強度が弱いのでアンテナ ポールに取り付けられるように側面に10mm径のアルミパイプを取り付けました。

MACHANT4 写真は改良型MATCHANTアンテナ(2号機)の正面です。下側がロータリースイッチ、 上側がHighインピーダンスとLowインピーダンスを切り替えるスイッチとカウンター ポイズ端子です。ロータリースイッチの目盛りはインピーダンス比を示しており、 これを50倍すればインピーダンス値になります。念のために側面にフロートバラン をパスするBNCコネクタを取り付けました。

MACHANT5 改良型MATCHANTアンテナ(2号機)が完成したのでアンテナ端子に0.75kΩ、1.1kΩ、 1.5kΩの抵抗を付けてバンド毎にSWRが最良になるコイルタップをアンテナアナラ イザで測定しました。その結果、3種類の負荷抵抗においてどのバンドもSWRが1.5 以下となりました。グラフから周波数が高くなるほど大きい負荷抵抗で整合する 事が分かります。つまり、短縮率が大きくなるとインピーダンスが下がると言う事 です。これで実際に短いアンテナを接続してもどこかのタップでSWRが下が ると期待されるので良しとします。残念ながら50MHzは全くSWRが下がりません でした。本方式は28MHzまでしか使えないようです。

MACHANT6 改良型MATCHANTアンテナ2号機用に新しく製作したアンテナです。95cmアルミパイ プ+37cmアルミパイプ+165cmロッドアンテナで継ぎ足すと最長295cmとなります。 いずれもM5サイズのボルトとナットで継ぎ足すため強度が弱く無風の時しか運用 出来ません。アンテナエレメントは縮めた状態で95cm以内に収まるので運搬 に大きな問題はありません。

MACHANT7 写真は自宅の庭で295cmのアンテナを使ってSWRを測定している所です。本物の GAWANTアンテナの1.5mに比べると約2倍の長さです。MATCHANTアンテナ 1号機ではバリコンを回すと明らかに雑音が大きくなる場所があり共振した事が分かり ますが、本機ではアンテナのインピーダンスがコイルのタップ位置とある程度合致 していればロータリースイッチをどの位置に切り替えても殆ど受信雑音に変化が ありません。本当に共振しているのか不安になりますが、どのタップでもSWRは2.0 以下であり、LC同調回路が無くインピーダンス変換回路だけですがリアクタンス分 はj0になります。極端に言えば一旦タップ位置が決まれば即運用が可能な訳です。 そのため、バンド毎の最良SWRのタップ位置を予めメモしておく必要があります。

MACHANT8 グラフはMATCHANTアンテナ2号機のSWR特性です。アンテナエレメントは最長295cmの ままです。測定はFT817でFM波を送信して3脚で地上高1.5mに給電部を固定して行い ました。7MHzのSWRが若干高いのが今後の検討課題ですが信じられないくらい広帯域 です。同調回路が無い単なるトランスですから当たり前ですね。各バンドとも運用 可能周波数で一々微調整する必要はありません。なお、カウンターポイズは無くて もSWRが十分下がったので試していません。装着するだけで面倒ですから。 MATCHANTアンテナ1号機のように受信ノイズが大きくなる 位置にバリコンを回して送信するとFT817のSWRバーがスッと消える・・・なんて事 もありません。コイルのタップ位置を切り替える方式のため最良調整してもSWRバー は殆どの場合1本が残りますが気にする必要はありません。「アンテナ調整はアバウト で良い」のです。特に移動運用時はSWRが2.0以下なら大丈夫です。SWRが十分 落ちない場合はアンテナ長を調整するともう少し改善されるかも知れませんがアン テナの長さは電波の飛びに関しては重要なので小生は出来る限りアンテナを一杯伸 ばして使っています。1/2λ長のフルサイズエレメントを使っての試験はまだ行って いませんが、簡単設営・運用が主目的なので温かい気候になったら山に持って行く 予定です。小さいアンテナインピーダンスに整合する様に作ったのでフルサイズ では多分ダメでしょうね。

MACHANT9 その後、7MHzのSWR値が大きいのが気になったのでアンテナエレメントを伸縮する 実験をしました。実験の結果、30cmのビニール電線2本をクリップでロッドアンテナ の先端に接続したらSWRが1.25まで落ちました。アンテナ先端に容量冠を付けた 格好です。変則的ですがこれで全バンドでSWRが1.5以下になりました。このまま では格好悪いのでその内にもう少し改良する積りです。

(9) 長尺HFマルチバンドMATCHANTアンテナ(3号機)

MACHANT31 GAWANTアンテナもどき(改良型MATCHANTアンテナ2号機)を自作して295cmの アンテナエレメントを余り縮めずに運用出来る様になりましたが、伝送トランス でインピーダンスマッチングを取るため同調回路がありません。性能的に大きな 問題はありませんがコイルとバリコンで運用周波数に同調を取っていないのは何 となく気持ち良くありません。そこで、同じ295cmのアンテナを全く縮めず に元祖GAWANTアンテナの様にバリコンで同調を取って運用出来るMATCHANTアン テナ3号機を作る事にしました。検討の結果、手持ちの2回路5接点のロータリー スイッチにより5個のコイルの1次と2次のタップを切り替える事にしました。 これでアンテナを縮めることなく運用可能なSWRが得られると期待します。目標 は28MHzや50MHzでもアンテナを最長に伸ばしたまま運用出来る事です。図は 長尺アンテナ用MATCHANTアンテナ(3号機)の回路図です。コイルは手持ちのT68 -6とT50-6トロイダルアに0.55mmΦのエナメル線を巻いて作りました。50MHzは 空芯コイルです。給電線の影響をなるべく受けない様にフェライトコア(FT50- 43)にエナメル線を5回バイファイラ巻きしたフロートバランを取り付けました。

MACHANT32 表はロータリーSWの5個の切替端子をどう使うかを検討した結果を示します。 各バンドとも同調する組み合わせが10〜20個ありますがそれらの中央付近の LとCを適当に選定しました。また、小生が余り運用しない10MHz、18MHz、24MHz バンドは同一コイルのタップを切替えて使うようにしました。同じコイルを 使う場合は高い方の周波数でアンテナを縮めないとSWRが十分下がらない事が 多いからです。2号機を製作した時の経験から1/2波長に対して短いアンテナ のインピーダンスは5kΩでなくかなり小さい(1kΩ程度)事が分かったので 各バンド とも巻数比を通常のGAWANTアンテナに比べかなり小さくしています。また、 良好なSWRを得るには1次コイルの巻数が非常に重要になります。このため、 半田付けでタップを出す位置により巻数が整数にならず小数点が付きます。 半田付けする場所が少し変わるだけでSWR特性が変わります。

MACHANT33 ロータリースイッチとバリコンの大きさから考えて今回はタカチのプラス チックケースを購入しました。SW100というケースでサイズは100mmx65mmx35mmです。 ケースの下部にM型コネクタをねじ止め、上部にM5の爪付きナットをメタルロック で接着しました。爪付きナットにM5ボルトを締め付けてアンテナエレメントの 取付台にします。写真は完成後のMATCHANTアンテナ(3号機)の内部です。 コイルだらけですが軽いのでほとんど空中配線です。風がない時は FT817のアンテナ端子に直付け可能ですが、コネクタ部の強度が弱いのでアンテナ ポールに取り付けられるように側面に10mm径のアルミパイプを取り付けました。

MACHANT34 写真はMATCHANTアンテナ(3号機)の正面です。下側がロータリースイッチ、上側 が200pFバリコンとハイバンドでバリコン容量を50pFに小さくするトグルスイッチが あります。

MACHANT35 MATCHANTアンテナ(3号機)が完成したのでアンテナ端子に0.75kΩ、1.1kΩ、 1.5kΩ、3.3kΩ、5.1kΩの抵抗を付けてアンテナアナライザで最良SWRを測定し ました(3.3/5.1kΩは50MHzのみ)。 1/2λ長のアンテナエレメントを接続したエンドフェッドアンテナのインピー ダンスは一般に3〜5kΩと言われており、給電部の調整時に5kΩの抵抗が よく使われます。ところが、調整後にフルサイズでなく1〜3mの短いアン テナを使うとSWRが十分下がらない事が多いのが実情です。原因は短いアン テナのインピーダンスが5kΩよりかなり低いからだと思われます。しかし実 際に何Ωなのか不明なので取り敢えず5種類の抵抗でSWRを測定しました。 なお、50MHzは295cmのアンテナ長は1/2λフルサイズに相当するので1.5kΩ、 3.3kΩ、5.1kΩの抵抗で測定しました。結果は全てのバンドでSWRが1.6以下 だったので良しとします。

MACHANT36 グラフはMATCHANTアンテナ3号機のバンド毎のSWR特性です。アンテナエレメント は最長295cmのままです。測定は3脚で給電部を地上高1.5mに固定し2mの同軸ケー ブルでアンテナアナライザに接続して行いました。身体の近付け具合でSWR値が 少しふら付くので測定値は最良時の値です。各バンドともかなり良好な SWR特性です。これで全てのバンドでアンテナを最長に伸ばしたままバリコンを 回すだけで運用出来る様になりました。バリコンを固定した場合はバンド内の 帯域幅は狭いですがバリコンを回して同調周波数を変えれば問題はありません。 元祖GAWANTアンテナのアンテナを長くしたけどSWRが満足に下がらなかったと言う ストレスをお持ちの方はコイルの巻数比を思い切って小さくする事です。 1次コイルの巻数が全ての鍵を握っています。0.5回の増減で共振(j0になる) の有無とSWRが決まります。 なお、295cmのエレメントの替わりに10m位のビニール電線を接続して同調を取れば ほとんどすべてのバンドでSWRが実用範囲まで下がったので十分使えると思います。

FT817台 MATCHANTアンテナの給電部取付ポールを自作しました。これで3脚無しでも安定して アンテナをFT817に取り付けられます。FT817の収納箱の側面に長さ60cmの塩ビパイプを ネジ止めしました。塩ビパイプはM4サイズの蝶ナットで固定しているので運搬時には 取り外す事も出来ます。144/435MHz用のノンラジアル型ホイップアンテナもこのポール に取付け可能です。

(10) 移動用便利グッズ

アンテナポール 移動運用に必要なアンテナポールとポール支持具です。上の3本はメインポールで 伸ばし切った時の高さは5.6mです。多分グラスファイバーだと思います。メイン ポールは60cm長のL型アルミアングルを地中に打ち込んで固定します。 朱色の2本は2段伸縮ポールでサブポールとして使います。延ばすと1.8mです。 テントのタープを固定するポールで本来は3本伸縮の2.7mで5,000円でしたが 軽量化のため2本しか使いません。黒い短いポールはツェップアンテナ使用時に 給電部を金属から少しだけ離隔するための物です。一番下の2本は長さ60cmのロープ 固定用の杭です。上部に50mmΦの塩ビパイプを固定しており、地中に打ち込んだ後 に朱色のポールを差し込みます。取付け、取外しが非常に簡単です。

バイク改造 小生の移動運用現地に行く方法は徒歩、自転車、バイクであり基本的に車は使いません。 バーチカルアンテナ使用時のアンテナ類はリュックサックに入れて運搬可能ですが、 水平ダイポールやツェップアンテナの時は90cm長の2段伸縮ポールを運ぶ必要があり、 バイクで運搬する方法を考えました。バイク左側の後部搭乗者用ステップにプラスチック の筒を固定してポール2本を突っ込んで運びます。筒は台所洗剤のケース上部を切断して 作りました。パイプはシート後部に紐で縛って固定します。多分これで警察に捕まる ことなくアンテナポールを運搬出来ます。

給電部固定 バーチカルアンテナは水平ダイポールに比べると再現性が劣り設置条件によって SWRが変動します。垂直エレメントの下部が地面に近く、なお かつポール支持金具や人間に近く、風でふらついたりもします。ポールはグラス ファイバーですがそれでもエレメントをピッタリ接近させるとSWRがふらつきます。 そこで、少しでも再現性を高めるためエレメントと給電部を固定する道具を自作 しました。こうすれば給電部が風でふらつく事もなくいつでも同じ位置に固定出来る のでSWRが安定します。ポールの持ち運び時には長さ20cmの洗濯鋏付き木製支持棒 をL金具と蝶ナットで取外し出来るようにしました。

コードストップ バーチカルアンテナのSWR調整はほとんどの場合トップエレメントの長さで行います。 調整はかなりクリチカルなため小生はコードストッパーなる小物を使いました。 100均ショップで買えます。これだとcm単位での長さ調整が非常に楽です。

水準器 バーチカルアンテナの場合、アンテナポールがまっすぐ垂直に立っているかがとても 重要です。そこで、円形の水準器を乗せる台を作りました。小さなL金具をL型アルミ アングルに接着しただけです。これでアンテナポールがとても簡単かつ正確に 設営出来るようになりました。

FT817 FT817の移動運用を何回か行いましたが圧倒的に筐体を縦置きにする場合が多かったので 固定台を自作しました。知っている人も多いと思いますがFT817を横置きにした場合、 目の高さにしないと液晶パネルの表示がとても見えにくいのです。 これで長いアンテナをフロントに接続しても倒れることもなく安定に運用出来ます。材料 は600x120x10mmの平板、釘、木工ボンドだけです。底板の寸法は180x120mm、立板の寸法は 160x90と50x90mmが各々2枚です。立板の1枚にはL型M接栓を使うための穴を開けており、 外部電源ケーブルやカウンターポイズ用ケーブルを通す事が可能です。ついでに油性ニス で塗装したので表面はツルツルです。 固定台を地面に直置きすると泥で汚れたり水平に置くことが難しいので折り畳み式 座椅子を購入しました。500円で買ったものですが固定台がピッタリ収まり安定に 使えます。100円ショップで買った別の座椅子は独立した4脚でないため地面に安定に 置けず筐体がグラグラしてNGです。

歩行用ポール ハンディトランシーバーに4エレループ八木、2エレモクソン、V型ダイポールアンテナを 直付けして歩行運用を可能にするための小型アンテナポールです。30cm長の塩ビパイプ (VP13)にM型コネクターを差し込んで接着し、上部に開けた横穴から50cm長の3D-2V同軸 ケーブルを引き出してBNCプラグを取り付けました。一般にハンディ機のアンテナコネ クターはBNCなので多少不安定になりますがアンテナポールを直立すれば何とか歩行運用 は可能です。無指向性のホイップアンテナに比べると若干ゲインが上がるので人間エモ テーターになるのも面白いです。



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