ホームカラオケ装置の製作 |
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されます。(以下同様)
エコー付きマイクアンプ基板の配線を追って回路図を起こしました。配線が複雑なのでもしか
したら間違いがあるかも知れません。4558Dの半分でマイク信号1を増幅(5.6倍)し、半分で増幅(5.7倍)
した後マイク1と2を合成してPT2399でエコーを掛けた後4558Dの半分(後の半分は不使用)で増幅(12.9倍)
しています。なお、トランジスタ2N2222のダーリントンアンプにより初段4558Dの入力にフィードバック
して一定値以上の出力が出ないように振幅制限(Automatic Level Control)を行っています。また、
マイクジャックを抜くと入力端子がアースに落ちて不要なポップノイズが出ないように工夫されています。
インターネットで検索したところ、ボーカルキャンセル用とキーコントロール用としてそれぞれBA3837
(ローム)及びM65847AFP(三菱)なるICが入手出来ることが分かりました。これらのICは安価で
売られていますが、M65847AFPはサイズの小さいSOP型なので半田付けに大変苦労しました。SOP-DIPの変換
用基板があると思いますが高価なので貧乏人は買いません。因みに、BA3837は1個150円、M65847AFPは180円
程度です。
データシートの応用例を参照して作製したBA3837を用いたボーカルキャンセラーの回路図です。
ピン14〜16に掛かる電圧により動作モードを変えることが出来ます。データシートによると2次LPF
の採用で1kHz付近のボーカル抑圧比は-30dB(電圧比で約30分の1)程度取れるようです。なお、
カラオケマイクアンプの電源を切るとCDやパソコンからの音楽信号をパスさせるリレーを内蔵
しています。また、エコーマイクのゲイン不足のためか音楽とマイク信号間のバランスが悪かった
ので20kΩの2連ボリュームで音楽信号のレベルを下げています。
データシートの応用例を参照して作製したM65847を用いたキーコントローラーの回路図です。ピン27と
28に掛かる電圧により、セルフモード、シリアルモード、パラレルモードを選択する事が出来ます。
本回路はマイクロコンピュータを必要としないセルフモードであり、プッシュスイッチでキーのアップ
とダウン操作を行います。キーは0±4段階で変えられ、KEY5のLEDはマイナスキーの時のみ点灯します。
2つのスイッチを同時に押すと0の位置にリセットされます。
ボーカルキャンセラーの動作モードは3回路4接点のロータリースイッチで切り替えます。
+5Vを1、0Vを0とすると、"011"でスルーモード、"001"でボーカルキャンセルモード、"111"でキー
コントロール付き L+R、"101"でキーコントロール付きボーカルキャンセルモードになります。
また、キーコントロール動作がオフの時にキーの状態を示すLEDランプが点灯しないように、
ボーカルキャンセル動作時にLEDランプが点灯するように工夫しています。
製作したボーカルキャンセラー基板です。手持ちの半端物のプリント基板とパーツで作りました。
製作したキーコントローラー基板です。+5Vの安定化回路を含んでいます。SOP-DIP変換用基板を
使用しないで配線したので非常に汚いです。超アナログ的にICの足に細いケーブルを半田
付けしてプリント基板に配線しました。長年の振動とか劣化により半田付けが取れる心配もあり
ますがまあ試して見ましょう。
完成した家庭用カラオケマイクアンプの正面です。ケースは得意の100円ショップ物です。
マイクが安物なのでまだ完璧ではありませんが、真空管アンプに接続して密かに一人カラオケを
楽しんでいます。何しろ映像がないので家族はまだ誰も使いたがりません。ボーカルキャンセルは
かなりの効果がありますが完全には消えません。CDソースがモノラルの場合は全ての音が小さく
なります。エコーとキーコントロールは手作りとしては満足出来る性能です。
小生の場合歌が下手くそなのでキーを低くしないとうまく歌えないので重宝しています。全体的に
本カラオケマシンは高音が不足した籠ったような音なので、いずれシュアの有名なボーカルマイク
(SM58?)でも入手しようかと企んでいます。
完成した家庭用カラオケマイクアンプの背面です。ミュージック音量調整用の20kΩ
ボリュームは正面に設置する場所がなかったので背面に設置しました。RCAジャックも壊れた
アンプの廃品利用です。
完成した家庭用カラオケマイクアンプの内部です。電源トランスは安物のACアダプター
(DC出力14V500mA)を壊して取り出した物です。3端子レギュレータ7812と7912で安定なDC±12V
を得ています。殆どのパーツを手持ちから使ったので新規に買ったパーツ代は約1,500円でした。
ついにシュアのボーカルマイクSM58Sを買いました。ネットオークションだと中国製の偽物を
掴まされる恐れがあるので「サウンドハウス」から買いました。スイッチ付きのマイク
ですが送料込みで12,000円台でした。早速使って見ましたが2,000円のマイクとの音質の違いは
カラオケ音痴の小生には明確には分かりませんが、大声を出した時でも音に破綻がありません。
安物のマイクではすぐに歪みますがSM58Sは全く問題ありません。恐らく感度を落としているから
ではないかと思われます。さてさて、次は演歌の歌詞集が欲しくなりました。実は、持っているCDの
多くはレンタルCDのコピーなので歌詞がありません。まずは古本屋を漁って見てそれでも入手出来
なかったら本屋で捜す事にします。
さて、CDを使った一人カラオケは可能になりましたが、何と言っても通常のカラオケの様に歌詞が
現れる映像がないのは超不便であり、ボイスキャンセラーも音声を完全には取り切れませんでした。
そこで、Youtubeを使った本格的なカラオケに挑戦しました。パソコンのスピーカーから出る音は
あまり良くないのでUSB-DACを使って、マイクアンプ+パワーアンプ+外部スピーカーという構成
です。写真はAmazonで3,650円で買ったPS-3249RというUSB-DACキットを組み立てた物です。
組立は抵抗、コンデンサー、トランジスターなどを半田付けするだけで作業時間は1〜2時間です。
パソコンのUSB出力端子からデジタル信号を取り出して、デジタル信号をアナログ信号に変換
した後に音声出力端子から取り出します。電源はUSBバスから取れるので不要、ドライバーのインス
トールも不要です。
USB-DAC基板をマイクアンプ内に収納しました。と言っても絶縁のために紙の上に単に置いただけ
で特に固定はしていません。内部に収納したのでUSB-DACとマイクアンプ間のRCAケーブルが不要と
なりました。パソコンとUSB-DAC間を接続するUSBケーブルは一方がMini-Bタイプなので注意が
必要です。USBケーブルを差すと
パソコンが自動的に読み込みますが、パソコンが認識しているか確認する作業があります。
「USB AUDIO DACを既定のデバイスに設定する」作業ですが、パソコンソフトに不慣れな
小生は少し手間取りましたが最終的にうまく行きました。この作業が終わるとUSBケーブルを
差すと外部スピーカーから音が出て、USBケーブルを抜くと従来通りパソコンのスピーカーから
音が出るようになります。
パワーアンプは当初使い古したTA-2020-020というデジタルアンプを使いました。超小型ですが10W位
の出力が得られ発熱もほとんどありません。しかし、一人カラオケも慣れてくるともう少し良い音で
歌いたくなり、「ハードオフ」でサンスイのR-11というチューナーアンプをゲットしました。
5,000円の出費が必要でしたが音質も申し分なく、カラオケに飽きたらラジオが聴けるので便利です。
パソコン画面を見ながらの一人カラオケ装置の完成です。スピーカーは当初BOSEの101MMを
使っていましたが現在はONKYOの20cm2Way式スピーカーETERNO DORCEにグレードアップして
います。エコーも掛かるしキーコントロールも可能です。パソコンの小さなスピーカーから
出る音に比べると音質、雑音とも大きく改善されました。これでこっそり一人カラオケが出来る
ようになり、家族も少しばかりですが興味を示し始めたようです。
その後、映像を地デジテレビの大画面に映して歌えるように改善しました。3mのHDMIケーブルで
パソコンと地デジテレビを繋いだだけです。HDMI接続はそのままでは音声がテレビ側から出て来る
ためサウンドの設定を変えます。コントロールパネル→サウンド→スピーカーをHDMI側からPC側に
変更します。昭和20年生まれの小生は「ド演歌」しか歌えませんが、木造の我が家は防音効果が
小さく小音量でしか歌えないのが残念です。
パソコンを使っての一人カラオケはそれなりに楽しいのですが、一々パソコンを起動してYoutube
で好きな曲を探すのも面倒くさいし、元来歌うのが下手な小生は字幕スーパーだけでは満足に
歌えないので、埃を被っていたMDデッキ(録音も可能なデッキが2台あり)を使って自分だけの
演歌カラオケアルバム集を作成しました。MD録音の手順は次の通りです。まず、CDから好きな曲
をパソコンにmp3またはwma形式で保存します。手持ちのCDにない曲はインターネットから取り込
みます。曲の取り込みは「Moo0音声録音機」というフリーソフトのお世話になりましたが操作が
とても簡単です。パソコン内で12〜17曲にグループ分けした後でMDに連続録音します。
これだと、原曲の音声を真似たりボイスキャンセラーで小さくなった音声を頼りに歌うことが
可能で、連続再生すればそのまま10数曲のカラオケが楽しめます。1枚のMDに収録できる
のは最大17曲程度なので最終的に200曲を14枚のMDに録音しました。有名演歌歌手から1曲だけ
厳選して編集したMDが4枚(男性2枚、女性2枚)、歌手毎に好きな1〜4曲を選んで編集したMD
が10枚(男性4枚、女性6枚)となりました。大好きな曲だけMDに収録したのでもうCDの出番は
無くなりました。CDの中にはそれほど聞きたいと思わない曲も多くありますから。
MDデッキを使っての一人カラオケは映像がないので歌詞集が必須です。当然本屋に行っても
対応する歌詞集はないので自分で作りました。当初はCDに付属する歌詞やインターネット
で検索した歌詞をパソコンでWord文書に打ち込んでいたのですが、200曲となると気が遠く
なりました。そこで、インターネットで検索したらほとんどの曲の歌詞をWordにコピーできる
アプリを発見しました。普通に検索した場合の歌詞はコピー出来ないようになっていますが、
本アプリを使うと自由にコピぺが出来ます。そのお陰で劇的に歌詞集作成の時間が短縮されま
した。自分だけの使用範囲なら問題ないと思いますが「LyricsMaster」というフリーソフト
です。作成した歌詞集はA4用紙で61ページになりました。正に「ド演歌」歌詞集ですが久し
振りの大作です。WORDでA4用紙に2段組みで作成しました。曲によって違いますが平均して
1ページに4曲くらい収まっています。
(参考)我が家のカラオケシステムの最終形態
本カラオケミキサー完成後は一人カラオケをそれなりに楽しみましたが、ネットオークション
でSonyのカラオケミキサーMXK-33が出ていたのでつい落札してしまいました。1階和室は
たまにお客さんも来るのでプラスチックケース入りの手作りカラオケミキサーでは恥ずかしい
ためメーカー製の
カラオケ機器にグレードアップしました。なお、手作りのカラオケミキサーは2階洋室に
移設しました。図は1階和室のカラオケシステムの結線図です。CDプレーヤーでカラオケ
を楽しむ場合は音声出力を直接MXK-33に入力します。パソコンでカラオケを楽しむ場合はUSB-
DACを介して音声出力をMXK-33に入力します。パワーアンプはサンスイのR-11でマイクは定番
のSHURE SM58です。
手作りのカラオケミキサーを2階洋室に移設したのでここでも一人カラオケが楽しめます。
真空管アンプを使うのでどちらかと言うと親父専用のカラオケシステムです。図は2階洋室
のカラオケシステムの結線図です。CDプレーヤーの曲またはUSBメモリーに保存した
約200曲の演歌や歌謡曲をネットワークCDレシーバーCR-N755を介して真空管アンプで演奏
します。マイクはSHURE PGA58です。定番のSM58より安価に購入出来ますが小生の駄耳
ではどちらが優れているのか判別出来ません。